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IT社員過労死

残業月87時間超 裁量労働制適用

裁量労働制で働き過労死した男性は、ツイッターに悲痛な声を残していた=2018年5月16日、市川明代撮影

 東京のIT会社で裁量労働制で働いていた男性会社員(当時28歳)が昨年、くも膜下出血で死亡し、池袋労働基準監督署が今年4月に過労死として労災認定していた。遺族代理人の川人博弁護士が16日、記者会見して明らかにした。労基署は亡くなる直前の2カ月間で、過労死ラインとされる月80時間を超え、月平均87時間45分の残業があったと認定。また、裁量労働制が適用される前には最長で月184時間の残業があったとした。

ツイートに生々しく

 川人弁護士によると、勤務先は東京都豊島区の「レックアイ」。男性は不動産会社向けのシステム開発を担当していた。昨年7月、チームリーダーに昇格した際に専門業務型の裁量労働制が適用された。みなし労働時間は1日8時間だった。

 男性は裁量労働制が適用される前から、長時間労働が常態化していたが、適用直後の7月上旬には納期に追われ、徹夜を含む連続36時間の勤務もあった。同月下旬には家族に「頭が痛い」と訴えた。翌8月の中旬に都内の自宅アパートで倒れているのが見つかり、死亡が確認された。両親は10月に労災申請した。

 男性は昨年6月から7月にかけて、ツイッターに「仕事終わるまであと22時間」「社会人になってから36時間ぶっ通しで働いたの初めてやがな」などと投稿している。

 川人弁護士は「男性の過重労働は裁量労働制の適用前からだが、適用直後には徹夜勤務があるなど、裁量労働制が過労死に悪影響を及ぼした可能性は高い」と指摘した。

 男性の母(58)は「今後、息子と同じような犠牲者が出ないように会社に求めます。若いときは二度とないから、休日もきっちりとれて、リフレッシュできる時間を若い人につくってあげてください」とコメントした。

 同社は取材に「詳細を把握していないため、コメントできない」としている。【神足俊輔】

◆過労死した男性がツイッターにつづった文

<2017年6月>

【24日午前1時46分】

やっと家ついたー。この安心感よ。今月も華麗に300時間やー。ねむすぎ。

【26日午後10時29分】

身体の疲れ方が尋常じゃない

<7月>

【4日午後0時24分】

ねむい。13時から翌日の18時までってなんなん。

【4日午後8時20分】

仕事終わるまであと22時間

【5日午前6時32分】

外明るいと思ったらもう6時かよ。アーメン。

【6日午前1時20分】

うおー!やっとしごとおわったぁー!!社会人になってから36時間ぶっ通しで働いたの初めてやがな。

【ことば】裁量労働制

 実際に働いた時間でなく、あらかじめ決めた「みなし労働時間」を基に残業代込みの賃金を支払う制度。仕事の進め方や時間配分を自分で決められる労働者に限り適用できる。弁護士やシステムエンジニアなど専門性の高い業務をする労働者が対象の「専門業務型」と、企業の中枢で企画立案などをする労働者が対象の「企画業務型」の2種類がある。政府は働き方改革関連法案で営業職の一部などへの対象拡大を目指したが、厚生労働省の異常データ問題の影響で法案から裁量労働制に関する部分を削除した。

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