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人口減少社会を迎える中、疲弊した交通事業者によるバス路線の廃止・減便が止まらない。県都・岡山市でも公共交通のない不便な地域が生まれている。一方、人口が集中する中心部では事業者間の競争が激しい。争いは、大規模な路線の廃止届提出やストライキにも発展し、市民に不安を与えたばかりだ。縮小する日本社会で、市民の足をどう確保していくのか。その具体的な計画を作る市の会議が21日、初開催される。【林田奈々】
「ここは陸の孤島じゃ」。そう語る住民の口ぶりには、諦めがにじんでいた。岡山市中心部から車で1時間ほどの同市東区久々井(くぐい)地区。小高い山に囲まれ、瀬戸内海に面するこの地域の人口は約300人。65歳以上の割合を示す高齢化率は40%を超える。地域には商店や病院が無く、生活のためには移動手段が不可欠だ。だが、唯一の公共交通機関であるバスは2方面に1日1本ずつしかない。
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