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米鉄鋼輸入制限

対抗で関税500億円引き上げ、政府検討

 政府はトランプ米政権による鉄鋼・アルミニウム製品の輸入制限発動を受け、世界貿易機関(WTO)に対抗措置の準備を通知する調整に入った。輸入制限に伴う追加関税分と同規模の500億円程度の関税引き上げを検討している。

     WTOは緊急輸入制限(セーフガード)に関する協定で、自国が輸出利益を侵害された分と同規模の関税引き上げや輸入数量制限などを課すことを認めている。米国が3月23日から課した追加関税は、鉄鋼製品25%、アルミ製品10%。日本からの同製品の輸出額は計約20億ドル(約2200億円)で、追加関税は500億円前後に上る見込み。日本政府は対抗措置の規模を同程度とし、関税引き上げの具体的な品目は示さない見通しだ。

     米国は輸入制限の発動理由を、安価な製品輸入で国内産業を脅かされれば「安全保障上の脅威になるため」と説明するが、実際は貿易面で各国に揺さぶりをかけ、通商交渉を有利に進めることを狙っている。韓国は適用除外と引き換えに自由貿易協定(FTA)の再交渉を迫られ、鉄鋼の対米輸出削減を受け入れた。一方、中国は米国をWTOに提訴。豚肉やワインに最高25%の関税を上乗せするなど反発を強めている。

     米国は日本に対しても、今後の通商協議で適用除外をちらつかせてFTA締結を迫る見込みだ。ただ日本が輸出する製品は、米企業が代替できない高付加価値品が多い。「適用除外にならなくても鉄鋼業界にあまり実害がない」(経済閣僚)ため、政府は対抗措置を示しつつ協議を有利に進めたい構えだ。

     政府関係者は対抗措置について「貿易戦争になるのは最悪だ。応酬が過熱しないように慎重にやらないといけない」と語った。【安藤大介】

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