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富士フイルム

助野社長「しっかり主張」 ゼロックス買収

記者会見で話す富士フイルムの助野健児社長(中央)=東京都中央区で2018年5月18日、宮武祐希撮影
買収計画を巡る経緯

「ベストなシナリオ」で和解に向け交渉継続に意欲

 富士フイルムホールディングス(HD)は18日に開いた2018年3月期連結決算の記者会見で、米ゼロックスの買収計画について「ベストなシナリオ」(助野健児社長)として、ゼロックス側との和解に向け交渉を継続する意欲を示した。だが交渉が長期化すれば、複写機事業で世界最大規模を目指す戦略は見直しを迫られそうだ。

 「時間の制約はない。いつまでにまとめるかよりも、しっかり主張することが大事だ」。東京都内で記者会見した助野社長は、時間をかけてでも、米ゼロックスの買収を実現する考えを示した。だが、米ゼロックスは、買収に反対する大株主らが支持する経営陣が今後、取締役会の過半数を占める見通しだ。また別の大株主は入札の可能性にも言及している。「半ば脅しで、妥協点を見いだそうとしている」(企業買収に詳しいBLJ法律事務所、遠藤誠弁護士)との見方もあるが、交渉が決裂する可能性も否定できない。

 混乱によって今年9月に完了予定だった買収スケジュールの遅れは必至だ。液晶ディスプレーなどに使われる高機能材料や医療機器分野と並ぶ主力事業で、売上高の約4割を占める複写機分野の戦略は当面、定まらないことになる。

 複写機分野は売上高こそ1兆円超だが、18年3月期決算では人員削減などの構造改革もあり、営業利益は前期比8割減の140億円に落ち込んだ。19年3月期の営業利益は820億円まで拡大すると見込むが、ペーパーレス化などの影響で、中長期的には先進国を中心に需要の先細りが予想される。早期に手を打てないと、競争力の低下につながりかねない。だが助野社長は、買収計画が実現できない場合の戦略について「仮定の話。このスキームがベストと関係者に訴える姿勢は変わらない」と述べるにとどめた。

 米ゼロックスが成熟市場である北米市場を地盤とするのに対して、富士ゼロックスはアジアなど新興国の成長市場に強く、統合の効果を疑問視する声もある。助野社長は「商品の重複を排除できるなど、2社で初めて出る効果がある」と期待する。だが、停滞した買収計画を前提にした事業戦略だけでは、成長は絵に描いた餅となる可能性もある。【横山三加子、竹地広憲】

米ゼロックス買収計画

 富士フイルムホールディングス(HD)は今年1月、経営の合理化や競争力の強化を図る狙いから米ゼロックスを買収する計画を発表した。9月をめどに子会社の富士ゼロックスと米ゼロックスを経営統合させた上で、新会社の株式の50.1%を取得する予定だった。しかし、買収スキームで富士フイルムHD側の現金支出がない内容に、物言う株主らが「米ゼロックスの価値を過小評価している」として反発。米ゼロックスが5月に入り、事態収拾のため株主側と和解した。2日後に和解が失効した際には富士フイルムHD側に歩み寄ったが、13日に再び株主と和解し、買収計画合意を破棄。富士フイルムHDは訴訟を含めた手段を検討するなど対立姿勢を見せている。

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