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硫黄山噴火1カ月

水質変化に苦悩 稲作断念、風評被害も

今季の稲作中止が決まり閑散としている、えびの市西郷地区の水田。奥に硫黄山がある霧島連山がそびえる=宮崎県えびの市で2018年5月14日、重春次男撮影

 宮崎、鹿児島両県境にある霧島連山のえびの高原・硫黄山の噴火から19日で1カ月になる。硫黄山から両県に流れる長江(ながえ)川水系の河川で噴火後、環境基準を上回るヒ素などの有害物質が検出され流域農家が今季の稲作を断念したが、川の水を使わない他の作物でも風評被害が出るなどダメージが広がりつつある。【重春次男】

 宮崎県えびの市の露地野菜農家の男性(50)は、取引先の食品会社が市に野菜の安全証明を出すよう求めたと聞いて驚いた。「露地野菜は雨水で育てるので川の水をまくことはないのに。風評被害は思った以上かもしれない」。市の担当者も「証明書は前例がなく難しい。周辺の川などの水質検査は異常がなかった」と頭を抱える。

トラックのタンクに入れて運んで来た安全な水を貯水槽に移す牛の生産者=宮崎県えびの市西長江浦で2018年5月16日午後7時18分、重春次男撮影

 同市の畜産農家の男性(71)はこれまで長江川水系の川内川から牛の飲み水を引いていたが、約40万円かけて水道を敷設した。「きれいな水で育てて宮崎牛のブランドを守りたいからね」。肥育農家の男性(70)も川の水を使わず、長男(40)が2キロ先の湧水(ゆうすい)施設まで1日何回も往復している。「水質が戻るのに何年かかるのか」と途方に暮れる日々だ。

 稲作中止に見舞われた流域農家の打撃も大きい。えびの市のコメ農家の男性(43)は約400万円の収入減を見込む。「機材のローンやメンテナンスもあるので痛い」

 えびの市が長江川水系ではない小川など20カ所の水質を調べたところ、いずれも有害物質は環境基準を下回った。長江川水系で最大時、環境基準の約170倍だったヒ素は9日の検査で最大8.6倍まで下がった。流域自治体は国に水質改善や代替水源の確保に向けた各種支援を求めている。

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