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新興国通貨の急落 ドル高発の混乱防がねば

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 かつて世界経済をけん引した新興国が、再び国際金融の荒波に揺れている。米ドルに対して通貨が大幅に下落し、高インフレや高金利が成長の足かせとなる恐れが出てきた。

 特に深刻なのが南米のアルゼンチンだ。資本の国外流出に拍車がかかり通貨ペソが急落したため、同国の中央銀行は政策金利を40%にまで引き上げた。

 それでも投資家の不安は解消せず、同国は国際通貨基金(IMF)の支援を仰がざるを得なくなった。

 投機資金の逃避に伴い通貨が急落したのはアルゼンチンだけではない。今のところ危機的な状況ではないものの、トルコや南アフリカなど他の新興国でも通貨安やインフレが心配されている。

 一義的な原因は、もちろん新興国の中にある。

 アルゼンチンでは、2015年に選出されたマクリ大統領が、高インフレ、財政赤字など慢性的課題に取り組もうとし、一時は国際金融市場で期待が高まった。満期まで100年という極めて長期の国債を発行し、無事資金を調達することができたのは、つい1年前のことである。

 ところが昨年末、インフレ目標を緩め、中央銀行が景気刺激のため利下げに踏み切ったことで、市場の失望を買い、通貨が売りたたかれた。

 では、新興国経済のもろさや経済運営のまずさだけが責められるべきなのだろうか。

 新興国の通貨安の裏には、米国の利上げを背景としたドル上昇もある。米経済の堅調な回復により、連邦準備制度理事会(FRB)が利上げのペースを速めるのではないかといった見方が市場で強まった。

 もともと米国など先進国が異例の金融緩和で市場の金利を押し下げた結果、大量の投資マネーが運用先を求めて新興国に流入していた。それがFRBの金利正常化を受け米市場へ還流を始め、追加の利上げ観測で、一段とドル高が進んだのだ。

 新興国が改革によって経済の足腰を強くすべきであることは言うまでもない。米国が自国経済の安定成長のため、必要な利上げを粛々と実施するのも当然だ。

 しかし、短期間で相場が激変するようでは困る。新興国通貨の動揺は、新興国だけの問題ではない。

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