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メディア業界

セクハラ加害者の4割が上司・先輩

日本外国特派員協会で会見する「メディアにおけるセクハラを考える会」の谷口真由美代表=東京都千代田区で2018年5月21日、中村かさね撮影

大阪国際大の谷口真由美准教授が会見

 前財務事務次官によるセクハラ問題を受けて、大阪国際大の谷口真由美准教授が21日に外国特派員協会(東京都千代田区)で記者会見し、メディア業界のセクハラ被害の実態について、自身の調査をもとに語った。警察や政治家など権力を持つ取材相手からのセクハラだけでなく、会社内での被害も深刻だという。【中村かさね/統合デジタル取材センター】

    被害者はすべて女性 「社内被害これほど多いとは」

     谷口さんは女性記者らで作る「メディアにおけるセクハラを考える会」の代表を務めている。今年4月に自らのフェイスブックで呼びかけ、10日間で新聞やテレビの女性記者ら35人から、見聞きしたケースも含め計150件の事例を集めた。被害者はすべて女性だった。

     セクハラを受けた相手は社内の上司や先輩が40%で最多だった。出演タレントや他社の記者など社外関係者も29%に上った。警察・検察関係者からの被害は12%、国会議員ら政治関係者が11%、官僚を含む公務員が8%だった。女性からのセクハラも5件あった。

     谷口さんは「社内での被害がこれほど多いのは非常に問題だ。性犯罪を取り締まる側の警察からの被害も多い。こんな状況では、被害を受けた女性記者はますますセクハラを相談できなくなる。実際、#MeTooムーブメントについて報道しようとして上司に止められたという声もあった。組織に属する女性でこうなら、フリーランスの記者はもっとひどい状況だと推察できる」と指摘した。

     寄せられた事例では、取材先の警察幹部から性生活について聞かれたり、自治体幹部から体を触られたりという被害があった。また、新人時代に上司から飲み会で性生活について聞かれ、仕事を辞めようと考えたが、今後はダメージを受けることも覚悟で闘うと宣言する内容もあった。相手の実名を挙げて訴えるものも少なくなかったという。

    女性が声を上げ、流れ変わった

     記者会見では、男性記者が「実名で告発する考えはないのか」と質問する一方、大手紙の女性記者から「メディアから声を上げるべきだと言われても、2次被害があるので実名では訴えられない。匿名でも声を上げ続けるべきだと思うか」との質問もあった。

     谷口さんは「今回のテレビ朝日の記者へのバッシングを見て、声を上げるとこれほど怖い思いをするんだと疑似体験したメディアの女性がたくさんいると思う。メディア内に女性管理職の割合が少なく、男性への同調圧力があるとの声も寄せられている。まずは匿名の集合知によって傾向を分析することが大事。私のような第三者がエンパワーする状況を作ることが必要だと考えている」と語った。

     その一方で「今まで被害を訴えられなかった報道する側の女性が声を上げられるようになった。分水嶺(ぶんすいれい)は既に越えた。メディアの男性が#MeToo運動やセクハラ告発を嘲笑やからかいの対象とせず、正面から取り組む事案だと認識することが必要だ」と強調した。

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