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今週の新刊
◆『平凡な革命家の食卓』樋口有介・著(祥伝社/税別1600円)
『平凡な革命家の食卓』というタイトルは、目を引くが中身は分からない。これは樋口有介による、東京西郊(国分寺市)を舞台にした長編で、女性警部補が活躍する、かなり異色のミステリー。
卯月枝衣子(うづき・えいこ)警部補29歳が勤務する国分寺署は、過去3年間、殺人事件がない。そこへ、元教師の市会議員が急性心不全で急死との報が入るが、事件性なし。本庁捜査一課に栄転を目論(もくろ)む枝衣子は、ありふれた死をなんとか殺人事件に格上げできないかと考える。
議員邸の前にある安アパートには、華麗なる一族から勘当された小説家志望の男、「一発特ダネ」を狙うライター女子が住む。枝衣子は2人を巻き込み、秘(ひそ)かに捜査を続けると、ヒョウタンからコマ。議員の家族の現在と過去から、複雑な人間関係があらわに。
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