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身近にある危険を認識

 新潟市で、小学2年生の女子児童が、下校後に殺害される悲惨な事件が起きました。

     このような事件が起きると、親は自分の子どもも被害に遭うのではないかと心配になります。一方、大きく報道されないと、自分の子どもには起き得ないこととして関心が薄れていきます。

     警察庁の統計では、13歳未満の子どもの略取誘拐・人身売買事件は年100件前後起きています。家庭でも、どこにどのような危険があるか、話し合っておくことが大切です。

     わが家ではこんなことがありました。娘が夕方、一人でレンタルビデオ店にDVDを借りに出かけたときのことです。住宅街の駐車場内に男性が倒れていたそうです。声をかけようか、どうしようかと迷ったそうですが、あたりが薄暗くなりはじめた時刻で、ほかに人通りもなかったことから、まずレンタルビデオ店まで急いで行って、店員に駐車場に人が倒れていたことを伝えました。そのすぐあと、携帯電話で私にも連絡があり、途中で落ち合って2人で近くの交番にも知らせに行きました。

     警察官と一緒に3人で、現場の駐車場まで見に行きましたが、そこにはもう誰もいませんでした。駐車場は三方を高いコンクリート塀に囲まれており、周囲からは見通せないようになっていました。寝ていただけなのかもしれません。でも、もし駐車している車にでも引きずりこまれたら、抵抗は難しかったかもしれません。男性が見つからなかったことから、よくわかりませんが、改めて、娘のとった慎重な行動にほっと胸をなでおろしました。

    臨機応変に対応考える

     学校などで使われる防犯標語に「いかのおすし」というのがあります。知らない人について「いか」ない、知らない人の車に「の」らない、「お」おきな声で叫ぶ、「す」ぐ逃げる、何かあったらすぐ「知」らせる、という内容を覚えやすくしたものです。

     こうした内容を子どもに伝えておくことは大切です。しかし実際には、相手は知らない人とは限りません。何度か話したことがあれば、子どもは「知っている人」と認識します。防犯パンフレットなどのイラストには、いかにも怖そうな男性の絵が描かれていることが多くありますが、実際にはにこにこと人当たりのよいお兄さんだったりします。「お菓子をあげると言われてもついて行ったらダメ」と家族に何度も言われていた子どもが「道を教えてほしい」「いなくなった子犬を一緒に捜して」と頼まれてついて行ってしまったりします。

     いろんなパターンがあることを大人も知って、子どもが臨機応変に対応できるようにしておかなければなりません。女子だけではなく、男子も被害に遭うことを知っておくべきでしょう。

     被害に遭いそうになったり、遭ったりした子どもを責めないでください。悪いのは子どもではなく、相手です。

     なお、娘の時には、レンタルビデオ店にたどり着く前、散歩中の老夫婦に出会い、駐車場に人が倒れていることを伝えたそうですが、無関心に通りすぎて行ったそうです。

     子どもが、いつでも安心して助けを求められるよう、大人は子どものSOSをきちんと受け止めてほしいと思います。<文・武田さち子>


     ■人物略歴

    たけだ・さちこ

     教育評論家。1958年東京生まれ。いじめホットラインにかかわったことがきっかけで、学校問題に取り組む。ホームページ「日本の子どもたち」を主宰。著書に「あなたは子どもの心と命を守れますか!」など。夫と娘1人。趣味は神社仏閣を巡る旅。

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