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余録

上野動物園のシャンシャンに話題をさらわれがちだが…

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 上野動物園のシャンシャンに話題をさらわれがちだが、多摩動物公園(東京)は今月で開園60周年を迎えた。上野の第2動物園として生まれ、自然が豊かな50ヘクタールを超える広大な敷地で、飼育や繁殖に取り組んできた▲動物たちにはそれぞれドラマがある。チンパンジーの「ジン」(オス)は10年前に生まれた直後、おびえる母親に育児を放棄された。独特の厳しいルールがあるチンパンジー社会で、母親なしに群れに入ることは難しい。飼育係は人工哺育をしながら、試行錯誤を重ねた▲介添え役となる養母選びに始まり、その養母との見合い、同居を経て、ボス格のオスに認められ晴れて群れ入りするまで728日もかかったという。子育てとは、群れとは、を考えさせられるジンの話だ(「人として大切なことはチンパンジーが教えてくれる」徳間書店)▲人間社会でも育児放棄や幼児虐待など悲しいニュースは多い。チンパンジーの行動からは親子の愛情や心遣い、礼儀、群れ組織でのルールなどが学べる。飼育係の人たちは、それらが人間社会でも必要不可欠なことだと再確認させられたという▲動物園はレクリエーション施設であると同時に、自然の大切さや動物と人の関係を学ぶ場でもある。そこで暮らす動物たちは、時に人間の鏡として映る▲ジンはその後、元気で遊び好きな青年に育っている。週末には動物園を訪れ、歩いてみてはどうだろう。仲むつまじい群れや親子の姿を見れば、心は癒やされ、穏やかな気持ちになるはずだ。

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