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社説

加計学園「虚偽の面会報告」 首相が怒らない不可解さ

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 加計学園の獣医学部新設をめぐり、安倍晋三首相と学園の加計孝太郎理事長が面会していたのかどうかで混乱が広がっている。

 愛媛県の公文書には、2015年2月25日に首相が加計氏と面会し「獣医大学の考えはいいね」と語った記録が残る。これに対し学園が「当時の担当者が実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と(同県今治)市に誤った情報を与えてしまった」とのコメントを唐突に出したからだ。

 学園は、県が文書を国会に提出した当日には「理事長が15年2月に総理とお会いしたことはございません」と面会を否定するだけにとどめていた。なぜ最初から発表しなかったのか、不自然な対応である。きのうの衆参両院予算委員会の集中審議でもこのコメントが焦点になった。

 仮にこれが事実だとすれば、架空の面会を報告することにより首相の後押しがあると見せかけ、県と市を動かそうとしたことになる。

 実際、面会報告後に柳瀬唯夫首相秘書官(当時)が県と市の担当者と会い、国による国家戦略特区の手続きが進んでいく。その適正さを疑わせる重大な問題をはらんでいる。

 県の文書によると、学園側は県に面会を報告した際に財政支援も求めた。県と市は今春、計約93億円の補助金拠出を決めている。

 さらに不可解なのは首相が抗議しないことだ。これまで首相は「加計理事長は友人だが、私の地位を利用して何かを成し遂げようとしたことは一度もない」と繰り返してきた。

 面会があったにしろなかったにしろ、県や市に報告した事実は学園側も認めている。まさに首相との関係を利用して獣医学部新設を実現しようとした行為ではないか。

 首相は本来ならもっと学園の対応に怒ってしかるべきだろう。きのうの集中審議で野党はその点を突いたが、首相は「私は常に平然としている」などとはぐらかした。

 そもそも学園側は真っ先に県と市に謝罪すべきなのに、ファクスを報道機関に送っただけで取材にも応じていない。首相との面会がなかった裏付けは示されないままだ。

 加計氏が国会など公の場で真相を語らなければ、疑惑はいつまでも続くことになる。

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