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諫早湾干拓事業

開門命令無効へ 国と漁業者、和解協議決裂 福岡高裁

 国営諫早湾干拓事業(長崎県、諫干)を巡り、堤防開門を強制しないよう国が漁業者に求めた請求異議訴訟の控訴審で、福岡高裁(西井和徒裁判長)は28日、「現状では次回の和解期日を設定するのは困難」として和解協議を打ち切った。福岡高裁は7月30日、国側の請求を認め、国に開門を命じた福岡高裁判決(2010年確定)を事実上無効化する異例の判決を出す見通し。判決が出ても開門を求める漁業者側は最高裁に上告する方針で、訴訟がさらに長期化するのは確実だ。

     この日は高裁が指定した最終の和解協議だったが、開門しないことを前提とした協議に反発している漁業者側は欠席。高裁は和解成立は困難と判断したとみられ、今年2月に再開した和解協議は実質的な協議に入らないまま決裂した。判決が出れば、国は開門命令に従わないことに司法のお墨付きを得ることとなる。

     国は、10年の福岡高裁判決で諫干と漁業被害には因果関係があるとして開門調査を命じられたが、開門期限の13年12月以降も従っていない。開門しない制裁として1日90万円の間接強制金を科される佐賀地裁判決も15年に確定しており、10日現在で漁業者側には11億4840万円を支払っている。このため国は14年、間接強制金の支払い義務を免除して開門を強制しないよう漁業者を相手取って佐賀地裁に提訴。1審・佐賀地裁判決は国の請求を棄却したが、高裁は国の請求を認めることを示唆している。

     控訴審の和解協議で、国側は開門しない代わりに100億円の漁業振興基金を創設する和解案を提示。高裁は3月5日、「開門は堤防が閉め切られて約21年間に積み上げられた現状を大幅に変更するもの」と開門しない国の姿勢を容認した上で、「状況を打開する唯一の方策」と評価した基金案による和解を勧告した。一方、基金が実現すれば運営を任される有明海沿岸の福岡、熊本、佐賀3県の漁業団体は今月1日、開門しない前提の基金案を受け入れる共同文書を発表。これを受けて高裁は22日、再び和解を勧告していた。【平川昌範、足立旬子】

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