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NZ男性

長時間拘束、禁止を 病院で心肺停止、遺族訴え

活動報告会で、元気だったケリー・サベジさんの写真とともに、長時間の身体拘束をなくすように訴える母マーサさん=東京都千代田区で2018年5月19日午後1時半ごろ、銭場裕司撮影

 日本で英語教員をしていたニュージーランド人男性が昨年5月、神奈川県の精神科病院で身体拘束を受けている間に容体が悪化し、死亡してから1年がたった。今月来日した母のマーサ・サベジさん(60)は厚生労働省に嘆願書を提出し「息子のような悲惨な死が二度と起こらないように、政府は身体拘束の問題を認めて法律を変えてほしい」と訴えた。

     亡くなったのはケリー・サベジさん(当時27歳)。双極性障害(そううつ病)の症状が悪化し、昨年4月末に神奈川県の精神科病院に措置入院した直後から、両手両足と腰をベッドに拘束された。10日後に心肺停止し、転院先で亡くなった。

     遺族らは、不必要な拘束で身体を長期間動かせなくなったためにできた血栓(血の塊)が肺の血管を詰まらせた「エコノミークラス症候群」で死亡した可能性が高いとみている。病院側は取材に対し「提訴予告を受けており、一切話すことはできない」としている。

     ニュージーランドの大学で地球物理学の教授を務めるマーサさんは一周忌に合わせて来日した。安倍晋三首相らに宛てて提出した嘆願書では、24時間以上の長時間にわたる身体拘束の禁止や、拘束の過程を録画して後に検証できるようにすることなどを求めた。

     19日には、昨年7月に支援者らと作った「精神科医療の身体拘束を考える会」の活動報告会で「他の国では身体拘束されることはまれで、長期間の拘束を許容している日本は特異だ。ケリーは日本を愛していた。同じ苦しみを誰にも味わってほしくない」と訴えた。

     厚労省が2015年6月末に行った調査によると、精神科で身体拘束を受けている患者は約1万人に上り、10年で倍増した。考える会代表の長谷川利夫・杏林大教授は「マーサさんは日本の精神医療を『まるで中世のようだ』と言った。他にも同様の相談が会に寄せられており、看過できない」と指摘している。【山田麻未、銭場裕司】

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