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縮む日本の先に

都市部への人口流入の陰で、地方は深刻な過疎化と高齢化に直面している。財政赤字に苦しむ国の支援には限界があり、地方が目指す未来には不透明感が漂う。人口減と向き合う自治体や住民の思いを交えながら、地方が存続するための処方箋を探る。

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最期の選択/1 「人工呼吸器・胃ろうやめて」 「意思表明書」が支えに 夫が残した優しさ

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意思表明書(写真手前)を残した五十嵐靖夫さんの遺影を眺める妻みさ代さん=千葉県松戸市で
意思表明書(写真手前)を残した五十嵐靖夫さんの遺影を眺める妻みさ代さん=千葉県松戸市で

 一生懸命生きてきました。人生が終わるとしても決して悔いはありません。終末期で意識不明になれば、人工呼吸器はつけず、栄養補給や点滴もやめてください--。

 千葉県松戸市の五十嵐靖夫さんが生前に書き残した延命治療に関する「意思表明書」が、後に妻みさ代さん(68)を救うことになる。

 2016年10月。当時72歳だった靖夫さんはジョギング中に心筋梗塞(こうそく)で倒れ、市立総合医療センターに運ばれた。みさ代さんが駆けつけると、病気知らずだった夫の顔が別人のようにむくみ、人工呼吸器がつけられていた。心肺停止の時間が長く、低酸素脳症の影響で意識不明になった。

 「延命のことを書いたよ」。回復への希望と絶望が交錯する中、元気だった頃に何気なく口にした夫の言葉を思い出し、書斎の戸棚の引き出しから表明書を探し出した。

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