メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

生活保護法

改正法成立 「自治体と支援者」連携 会議で情報共有 実効性に疑問の声も

 生活保護法など関連4本の改正法が1日、与党などの賛成多数で参院本会議で可決、成立した。改正法には自治体や支援団体の情報共有の仕組みを導入するなど制度の網の目からこぼれ落ちる人をなくす仕組みが盛り込まれた。だが、自治体の自主性に任される面も大きく、実効性には疑問の声がある。【熊谷豪、原田啓之】

     東京都豊島区では、生活困窮者支援に携わる区職員のほか、ハローワークの職員、NPO法人や人材派遣会社のスタッフが1カ所に集まっている。緊密に連携できる環境を整える狙いだ。

     法改正に当たり、厚生労働省は同区をモデルに生活困窮者に関する情報を交換する自治体職員や、支援員らの会議設置を制度化した。

     厚労省の念頭にあったのは、2014年、千葉県銚子市で県営住宅の家賃を滞納して立ち退きを迫られた40代の母親が無理心中を図り、娘を殺害した事件だ。事件前、市の生活保護の窓口を訪れて制度の説明を受けたが、受給手続きはしなかった。市も立ち退きを知らず、具体的な生活状況の聞き取りを怠った。

     母親の刑事裁判で弁護人を務めた野原郭利(ひろとし)弁護士は「明確な意思表示がなくても、行政は本人の状況をみて、生活保護を受けられるようにすべきだった」と振り返る。越川信一市長も毎日新聞の取材に「大きな問題として県との情報共有(の欠落)があった」と悔やむ。

     生活保護が受けられる所得水準でも実際に受給している人は2割以下とされる。改正法は、生活保護に該当しそうな人に対して生活保護制度の説明をすることも義務づけた。年金や賃金収入があっても、最低生活費に足りない分だけ受給できるが、全くお金がない状況でないと受給できないなどと誤解されていることも背景にあるためだ。

     だが、生活保護費は自治体が4分の1を負担しており、財政負担の懸念などから、自治体が生活保護の申請をなかなか受理しない「水際作戦」がたびたび問題化している。

     生活保護受給の相談に応じている尾藤広喜弁護士は「法改正は一定の評価はできるが、困っている人を生活保護に結びつけない現場の対応を根絶できるかというと不十分だ。行政は制度の誤解を解消し、待ちの姿勢ではなく、もっと積極的に生活保護制度の利用を呼びかけるべきだ」と話す。

    関連記事

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 加計学園 「首相と関係、一切ない」沈黙破った理事長
    2. 加計学園 理事長が会見、謝罪 監督責任で給与を自主返納
    3. 大阪震度6弱 ラッシュ直撃 「一緒にいた子が」児童犠牲
    4. 大阪震度6弱 高槻市長が謝罪 倒壊した塀、基準満たさず
    5. 大阪震度6弱 緊急地震速報、間に合わず 震源近く

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

    [PR]