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信州取材前線

子ども医療費「窓口無料化」 58自治体「高校卒業まで」 全市町村で8月1日から /長野

 子ども医療費の窓口支払いに関し、県内全77市町村は8月1日、自己負担分の全額をいったん払う償還払いから、県と市町村の助成額を事前に引き、受給者負担金(1病院当たり最大月500円)のみを払う現物給付に一斉変更する。県は、対象年齢=中学卒業まで▽受給者負担金=500円--を基準にしているが、通院費は58市町村が高校卒業までに拡大。9町村が受給者負担金を廃止し、窓口の完全無料化を実現する。【鈴木健太】

     現物給付は、窓口支払いがほぼ無料で「窓口無料化」とも呼ばれる。県によると、通院費は19市村(24・7%)が中学卒業まで、58市町村(75・3%)が高校卒業までの窓口無料化を実施する。受給者負担金を廃止した完全無料化は、現在の原村のみから、長和町、飯島町など9町村(11・7%)に拡大。負担金を県基準より少し抑えた300円は、17町村(22・1%)に上る。

     「高校卒業まで」が多いなど、町村での充実ぶりが目立つ。県基準を超えた窓口無料化分は市町村が100%負担することになるが、少子高齢化が進む町村が子育て世代確保のため、より踏み込んだ支援策を用意したとみられる。

     「大きな方針転換だ」。市民団体・福祉医療給付制度の改善をすすめる会(長野市)の和田浩会長(62)=健和会病院院長=は5月27日、同会の総会で窓口無料化の一斉導入に触れ、そう評価した。松本市勤労会館で開かれた総会には、関係者約30人が集まった。

     すすめる会は20年以上前に設立。子ども医療費の窓口無料化などを求め、歴代の知事や県議会に要望を繰り返してきた。和田会長は「県民の願いが県を動かした」と成果を強調する一方、「これで一段落ではない」と全市町村での完全無料化を目指して運動を続ける方針を示した。

     今回の一斉導入は国の方針変更がきっかけだ。国は従来、安易な受診乱発に伴う医療費増を防ぐため、窓口無料化を実施する市町村に国民健康保険の補助金を減らす措置をとってきた。しかし「少子化対策に逆行する」など批判が多く、2016年12月、未就学児の窓口無料化に限り、補助金を減らさない方針を決めた。

     これを受けて県も、中学卒業までの窓口無料化の方針を決定。国の基準を超えた小学1年~中学3年分の窓口無料化は補助金減額(年約8000万円)の対象となるが、県と市町村が半分ずつ補填(ほてん)する。

     和田会長は現役の小児科医として活躍し、「僕は現実に500円を払えない家を知っている」と完全無料化の必要性を訴える。県外では所得条件を設け、低所得世帯から受給者負担金をもらわない自治体もあるが、和田会長は「待合室で負担金を払う人と払わない人が分かってしまう。当事者は苦痛だし、病院から足が遠のく原因にもなる」と一律廃止を求める。

     これに対し、県は今後も受給者負担金は必要との考えだ。県健康福祉政策課の瀬戸斉彦課長補佐は「助成制度を将来的に続けるためにも、また、患者が制度を支える一員だと自覚するためにも、必要だと思う」と話している。

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