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G7

輸入制限で亀裂 米に包囲網、日本は及び腰 カナダで8日開幕

シャルルボワ・サミットに出席する首脳の顔ぶれ
米国の通商政策を巡る対立の構図

 日米欧の主要7カ国首脳会議(G7サミット)が8~9日、カナダ東部シャルルボワで開かれる。トランプ米政権が強硬策を連発している通商問題や、北朝鮮の核・ミサイル開発などが議題になる見通しだ。通商問題を巡り米国と6カ国の間に亀裂が生じる中、G7が協調姿勢を示せるかが焦点となる。

     G7サミットの準備会合として、カナダ西部ウィスラーで開かれている財務相・中央銀行総裁会議は1日(日本時間2日)、大荒れの展開となった。トランプ政権が開幕直前、日本などに続き、G7の同盟国である欧州連合(EU)とカナダを鉄鋼・アルミニウム製品の輸入制限の対象に加える方針を表明したからだ。

     議長国カナダは当初、女性活躍や、経済成長の恩恵を幅広く行き渡らせる方策を中心に協議する計画だった。しかし、米国の輸入制限発動に各国が対抗関税で応じる方針を打ち出し、会議は本来なら貿易相が話し合う通商問題一色になった。

     カナダは1日、米輸入制限が国際的な貿易ルールに違反しているとして、世界貿易機関(WTO)への提訴手続きを開始。議長としてまとめ役になるはずのカナダ・モルノー財務相は、記者団に「ムニューシン米財務長官に強い言葉で反対を伝えた」と怒りをあらわにした。麻生太郎財務相も「極めて遺憾であり、保護主義的な内向き政策はどの国の利益にもならない」と述べた。

     世界の課題に協調して対処してきたG7は「もはや『G6プラス1』」(フランスのルメール財務相)の様相を呈し、米国の孤立が鮮明となっている。ただ、「米国第一」の通商政策はトランプ大統領の金看板。麻生氏ら出席者によると、ムニューシン氏は「自分に言っても無理。トランプ氏に直接掛け合うしかない」との考えを示したという。米中間だけでなく、世界規模に拡大しかねない「貿易戦争」の回避は、サミットでの協議にかかっている。

     日本はWTO提訴の「準備はしている」(麻生氏)ものの、様子見の状態。対抗措置に出づらいのは、12日の米朝首脳会談を控え、トランプ氏に拉致問題の解決という「お願い」(日本政府関係者)をしているためでもある。日本を含む6カ国がトランプ氏の政策運営に揺さぶられる状況が続きそうだ。【ウィスラー(カナダ西部)清水憲司】

    対北朝鮮協調、火種残る

     シャルルボワ・サミットの政治分野の協議では、北朝鮮情勢に加え、米国が離脱したイラン核合意などを巡って首脳らが意見を交わす。安倍晋三首相は、北朝鮮問題で議論をリードし、G7の結束確認を目指す。完全かつ検証可能で不可逆的な方法による非核化(CVID)が実現するまで、国連安全保障理事会による制裁決議を履行することで一致したい考えだ。ただ、12日の米朝首脳会談を前に、トランプ米大統領は北朝鮮に歩み寄る姿勢を見せており、対北朝鮮圧力でどこまで足並みがそろうか不透明感が漂う。

     イラン核合意に関しては、離脱した米国と、合意を維持したいフランス、ドイツ、英国との対立が表面化している。日本政府は「核合意を引き続き支持し、維持に向けた関係国による建設的な対応を期待する」(菅義偉官房長官)と欧州寄りの立場だが、北朝鮮問題を抱えるなか、米国に配慮したい思惑もあり、難しい対応を強いられる。

     政治分野の協議は8日の予定。9日は女性の地位向上や、地球温暖化問題などが主要議題として想定されている。安倍首相は、日本の歴代首相で最多の7回目のサミット出席。13回目のメルケル独首相に次ぐ「古株」だ。【小山由宇】

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