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時代の風

泥船に乗っている我々 言いつくろいの末に=中島京子・作家

=根岸基弘撮影

 前々回の本欄で、泥船に乗っているような気がすると書いたのだが、2カ月以上経(た)っても、まだそこから降りられない。

 なにしろ船長が、泥船ではありませんと頑(かたく)なに言い張って、溶けながら沈んでいく船を止める気も、救命ボートを降ろして乗客を救う気もない。乗組員たちはそんな船長を必死でかばって、泥船に見えないように、穴に紙を貼ったり、乾いた土を被(かぶ)せたりしている。そんな感じ。

 関係者がその場その場で言いつくろうので、さほど複雑ではなかった話がとんでもないことになってしまう。

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