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中村桂子・評 『合成生物学の衝撃』=須田桃子・著

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 (文藝春秋・1620円)

生き方と研究の急接近考えるべき時

 「合成生物学」という文字にはどこか怪しげな雰囲気がある。ただ実験室でゼロからマウスをつくりあげるというような話ではないとは申しあげておく。

 二十一世紀に入って活発になったこの分野にはそれぞれコンピューターとゲノムという背景をもつ二つの流れがある。米国取材に基づく本書は両者の最先端を伝え、問題点を浮き彫りにする。

 MITのトム・ナイトはシリコンチップに代えてDNAや細菌を用い、「生物マシン」をつくればすばらしいコンピューターになると考えた。ところが、生物には規格化がなくしかも細胞の構成分子のはたらきがわからない。更に、細胞というシステムの編成も構造もわからないのである。

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