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旧優生保護法を問う

強制不妊根拠、73年に否定 厚生省局長、遺伝「学問的に問題」 手術継続、問われる「故意」

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 ■解説

 国が、旧優生保護法の根幹だった「遺伝性疾患」の非科学性を認識しながら23年間も強制不妊手術を推進していたとすれば、それは国民への背信行為だ。障害者たちは、「障害の遺伝」を恐れる家族ら周囲に連れられたり、説得されたりして手術を強いられた。

 厚生省局長による発言の背景には、遺伝学や精神医学が発展し、複数の研究者がこのころ、海外の調査例から「障害は環境要因の影響も大きい」と旧法の遺伝根拠を批判していたことがあった。薬物療法も普及し、精神障害は治せるとの認識も広がっていた。人権意識の高まりもあり、スウェーデンも1975年に法改正して強制手術をやめた。

 局長発言は当時、先進国では常識だった。それだけに96年まで法律が残った日本の異様さが際立つ。旧法施行直後、「手術の強制が人権侵害に当たる」と懸念した都道府県に対し、国は遺伝性などを理由に抑え込んだ経緯がある。旧法は遺伝性以外の障害者にも手術を強いる条文を52年に加えたが、被害者の大半は遺伝性を理由に手術された。

 仙台地裁に初の国賠訴訟を起こした宮城県の60代女性も、遺伝性を理由に手術を強制された。県の記録で手術日は72年12月。局長発言の9カ月前だった。強制不妊を巡る問題は、被害者救済を怠った国の「不作為」に焦点が当てられている。だが、局長発言後の国の対応は「故意」による人権侵害に他ならない。【千葉紀和】

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