SUNDAY LIBRARY

岡崎 武志・評『手仕事のはなし』『日本鉄道事始め』ほか

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今週の新刊

◆『手仕事のはなし』阿部了・写真、阿部直美・文(河出書房新社/税別1500円)

 井川メンパ、紀州産棕櫚(しゅろ)たわし、雲州そろばん……いずれも古来の技法で、職人が手作業で作っている品々だ。低廉、大量生産の波に流されず、彼、彼女らは今日もひたすら手を動かしている。

 阿部了(さとる)の写真、阿部直美の文、といえば、『おべんとうの時間』で知られた夫婦コンビ。『手仕事のはなし』では、日本の津々浦々まで職人たちに会う旅へ出た。岐阜市「家田紙工の水うちわ」は、極薄の雁皮(がんぴ)紙を張った、涼を呼ぶ透明感が命。手によってのみ可能な軽やかさだ。

 滋賀県甲賀(こうか)市は「川端健夫さんのトースト皿」。ノミで彫り出した木の皿は、「ザックザックと規則的な音」で形になる。このトースト皿を眺めると、「おなかに力を込めて彫る健夫さんの息づかいが聞こえるようだった」と書く。

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