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6・12会談へ 南北の共同歩調 終戦宣言ありきでは困る

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 歴史的な米朝首脳会談が現実化する過程では、韓国と北朝鮮による共同歩調があった。なぜ南北は、それほどまでに米朝会談を求めたのか。

 南北はともに、予測不可能なトランプ米政権への警戒感が強く、朝鮮半島が再び戦場となることは何としても阻止したかった。トランプ大統領がいったん会談中止を表明した直後には、双方の危機感から急きょ南北首脳会談を開いたほどだった。

 さらに、歴史的に周辺の大国に翻弄(ほんろう)されてきたため、同じ民族同士で国の行く末を決めたいという思いも共有している。

 ただ韓国では、米朝会談について北朝鮮の非核化実現以上に文在寅(ムンジェイン)政権が推進する朝鮮戦争の「終戦宣言」への期待が先行している。

 朝鮮戦争は、1953年から今も法的には休戦状態だ。北朝鮮は米国に対し、休戦協定から平和協定への転換を一貫して求めてきた。

 終戦宣言は、平和協定に向かうための政治的なステップに過ぎない。それでも北朝鮮が重視するのは、米国からの軍事的脅威をなくすことにつながるからだ。米国による体制保証の布石とする狙いがある。

 一方、韓国はかつて休戦協定の署名を拒否した経緯があり、直接の交渉当事者とならない。このため韓国主導で終戦宣言を出し、主体的に関与しようとしている。続く平和協定に当事者として加わる思惑もある。

 終戦宣言によって緊張緩和を進め、北朝鮮の非核化実現を後押ししようとする趣旨は分かる。しかし、肝心の非核化がなおざりになっては本末転倒だ。文大統領には改めて慎重な取り組みを求めたい。

 文大統領は、米朝会談が成功すれば「米国プラス南北」の3者で終戦宣言を行う意欲を示す。だが北朝鮮は「朝鮮半島の非核化」を繰り返すばかりで、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長自身がどこまで核放棄を決断したのか明らかでない。

 文政権は、南北交流拡大は北朝鮮の非核化進展が前提との立場をかろうじて堅持している。周辺国とも協調しており、同じ革新系で南北融和を前面に掲げた金大中(キムデジュン)、盧武鉉(ノムヒョン)両政権の教訓を生かしているようだ。

 それだけに重要な局面で北朝鮮の非核化という最大の目的をおろそかにしないよう、十分留意してほしい。

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