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毎日フォーラム・課長補佐時代

内閣官房内閣審議官 山下和茂(56)

山下和茂氏

国民のために働いている実感

 課長補佐時代のスタートは、1994年4月に拝命した高等教育局の学生課です。旧文部省では、係長経験後に自治体の管理職に出向するのが通例で、私も福島県教育委員会の総務課長として2年半余り出向しました。県庁課長から本省補佐に戻ってみると、部下は少ないうえ拘束時間は長く、給与も減って、その落差に驚きました。就職協定や奨学金などを担当しましたが、課長が素晴らしい方で、そのサポートで何とか適応できたと思います。

     翌年早々、阪神・淡路大震災が発生すると、そんな不満も吹き飛びました。各大学から報告される大学生の死亡者数を連日集計・公表するという悲しい業務の一方で、奨学金を被災学生に緊急支給する補正予算の編成・執行や、全国の大学生に呼び掛け、中古の教科書や参考書を集めて被災した受験生へ送付するなど、膨大な業務を短期間で処理することが必要でした。緊急時の課長補佐の重要性を痛感すると同時に、公務員として国民のために働いている実感と誇りが得られた貴重な経験でした。

     次に旧科学技術庁へ出向し、科学技術政策局の国際政策室補佐に就きました。初の国際業務でしたが、英語も不自由な中で複数の国際会議に対応する外国出張があり、朝から夕まで会議に出席し、ホテルで報告の公電を書き、翌日の準備をするうち夜が明ける日が続きました。帰国すると、すぐに第1期科学技術基本計画を策定するブロジェクトチームへの参加を命じられ、複雑怪奇な省庁間折衝を経験しました。こうした科技庁でのダイナミックな経験と人脈は、その後の省庁統合時に、文部科学省の組織設計を官房総務課で担当した際に役立ちました。

     職業人生で精神的・肉体的に一番しんどい時期でしたが、仕事のほかにライフワークを見つけたことで乗り切れたと思います。支えてくれた家族にも感謝です。

     やました・かずしげ 1962年福岡県出身。筑波大付属高、東大法学部卒。84年文部省入省。大臣官房審議官(初等中等教育局担当)、文化庁文化財部長、(独)国立美術館理事を経て昨年4月から現職。

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