5月15日、スイス・ジュネーブの国連欧州本部。北朝鮮の韓大成(ハンデソン)駐ジュネーブ国際機関代表部大使の発言に会場がざわついた。
「北朝鮮は核実験全面禁止のため、国際的な軍縮の試みに加わる用意がある」
核実験全面禁止条約(CTBT)。米国や中国など核保有国すら批准していないこの条約を、北朝鮮が批准する可能性を示唆したのだ。北朝鮮の非核化の意思を表すもの、と欧米メディアは驚きをもって報じた。ただ、核不拡散専門家は慎重だ。「北朝鮮は『軍縮』という言葉を使っている。つまり『減らす』と言っているわけで、核放棄とは言っていない」
北朝鮮はこれまで繰り返し、「朝鮮半島の非核化を目指す」と宣言している。だが文脈によっては、米英仏中…
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