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第64回青少年読書感想文全国コンクール

好きな作家、いつか出会える 俳優・上白石萌音さん

=山田茂雄撮影

上白石萌音(かみしらいし・もね)さん

 宮下奈都さんの本屋大賞受賞作を映画化した「羊と鋼の森」(8日全国公開)にピアニスト役で出演している上白石萌音さん。物心ついた時から「本が大好き」と表情が自然とほころぶ。「読み終わった時に『この本、好き』という感覚を持ち続けていたい。すてきな言葉が三つでも四つでもある本が、私にとって大切な本です」と話した。【鈴木隆】

    非日常の世界へ

     「紙がたくさん束ねてあって、そこに文字が羅列してあるだけなのに、開くと日常ではない世界にいけるんです」と目を輝かせた。勉強に仕事に忙しい日々だが、お風呂での読書は1日の中で最も大切な時間。「本当は寝る前に読むのが好きだけど、眠れなくなって、乗ってきちゃうと一晩で1冊とか読んでしまう」ほど。映画や舞台で移動の時間が多いときは「4日で4冊読んでしまったことも」と読書については若き猛者ぶりを発揮することもあるようだ。

     最近は、伊坂幸太郎さんの小説に夢中だが、角田光代さんや吉本ばななさんら女性の作家も大好きで、小説だけでなくエッセーのファンでもある。

     「本によっていろんな人を知り、出会うことができる。悪人にも寄り添っているページがあるし、どんな人にもそれぞれの人生があることが1冊で分かる」と、人として女優として、人間を観察する一助にもなっているようだ。上白石さん自身「普段から寛容で穏やか、あまり怒ったりしない」と、周囲も口をそろえる。「本から教えてもらったことが山のようにあり、本は私を形作る大切なものの一つです」

    「こころ」に感動

     物心ついた時から家には絵本がたくさんあり、小学校でも図書室が大好きな女の子だった。「はやみねかおるさんのミステリー小説がお気に入りで、お化けとか殺人とか怖いのにミステリーでなら大丈夫。小説では登場人物がどんな顔をして、どんなスカートをはいて、どんな部屋に暮らしているかなど文字をヒントにその人を構築していくのが好きでした」。そのうち、「ナルニア国物語」とか「ハリー・ポッター」シリーズなど「ジャンルも作家も広がって、読書はいつも満ち足りていました」。

     とはいえ、純文学や名作、文豪に触れたのは高校生になってから。1年生で読書感想文のために読んだ夏目漱石の「こころ」が最初だ。「今とは言葉の使い方や表記も違うし、意味が分からなくて脚注にとんだりして、労力と時間はかかったけれど、名作ってやっぱりすごい」と感動した。分からないことを放置せず、じっくり理解しながら読み進んだ。

     ただ、感想文を書くのは大変だった。「書きたいことがたくさんあって字数に収まらない。欲望のままに書いちゃう。分量がずいぶんオーバーして、まとめるのも、削るのも得意じゃなかった」とはにかんだ笑顔を見せた。

     ここで、読書や感想文を書くのが苦手、嫌いな人に上白石さんからアドバイス。「私は小さいころから好きな作家さんに出会えた。読書が嫌いな人は、まだ出会っていないだけだと思う。時間を忘れて読み進められる作家さんにいつか出会える。出会うまでは苦痛だけど、出会った後は最高だから、何冊か読んだだけで読書は向いてないってあきらめるのは早い」。実は、読書感想文で「夏目漱石と言われ、最初は『エーッ』と思った。純文学は苦手と考えていたから。でも、大きな出会いのきっかけになりました」と目を輝かせた。

    本から音や匂い

     上白石さんにとって、本は人生になくてはならないものの一つ。使命感に駆られる読書ではなく「本当に読みたい本、好きな本を読み続けていきたい」と話す。今回の映画の原作「羊と鋼の森」もその一つだ。第一印象は「原作に言い当てられた」。上白石さん演じる和音が自分の分身のように感じた。「今度出演する映画と思って読み始めたが、途中から、自分の物語のように感じて気付いたらほろほろ泣いていました」。読みながら、音が聞こえ匂いまで感じられたという。「木々のゆれる音、ピアノの旋律まで聞こえてきた。全国の同世代の人たちや学生の皆さんに読んでほしいし、映画も見てほしい」

     さらに、付け加えた。「俳優という仕事は言葉がとっても大事。本でも映画でも、言葉の力を感じ、大切にしていきたいですね」


    『羊と鋼の森』あす全国公開

     将来の夢を持っていなかった主人公・外村(山崎賢人)は、高校でピアノ調律師・板鳥(三浦友和)に出会う。

     彼が調律したその音に、生まれ故郷と同じ森の匂いを感じた外村は、調律の世界に魅せられ、果てしなく深く遠い森のようなその世界に、足を踏み入れる。

     ときに迷いながらも、先輩調律師・柳(鈴木亮平)やピアノに関わる多くの人に支えられ、磨かれて、外村は調律師として、人として、たくましく成長していく。

     そして、ピアニストの姉妹・和音(上白石萌音)、由仁(上白石萌歌)との出会いが、「才能」に悩む外村の人生を変えることに--。


    オリジナル図書カード 100人にプレゼント 公式サイトで応募

     2018年度の青少年読書感想文全国コンクールでは「高等学校の部」においてプレゼントキャンペーンをはじめました。

     高校の部の課題図書は「わたしがいどんだ戦い1939年」(評論社)、「車いす犬ラッキー:捨てられた命と生きる」(毎日新聞出版)、「いのちは贈りもの:ホロコーストを生きのびて」(岩崎書店)の3冊。それぞれ高校生が読むのにふさわしく、心動かされる作品です。キャンペーンでは3冊の表紙がデザインされたオリジナルの図書カード2000円分を100人にプレゼント。8月31日まで。公式サイトからどなたでも応募可能です。

     そのほか公式サイトでは各課題図書の見どころや感想文を書くためのヒント、オリジナル原稿用紙、イメージキャラクター・おほんちゃんの紹介など、スペシャルコンテンツが満載です。書店や学校で活用されているポスターなどのデータのダウンロードも可能です。公式サイト(http://www.dokusyokansoubun.jp/)をぜひご覧ください。


    「読書感想文」作品募集

     <対象図書>

     ◎課題読書=主催者の指定した図書(課題図書)。

     ◎自由読書=自由に選んだ図書。フィクション、ノンフィクションは問わない。

     <応募資格>

     小・中・高校生。ただし、1998年4月2日以降生まれの人。

     <用紙・字数>

     原稿用紙に縦書きで自筆。小学校1、2年は本文800字以内、3~6年は同1200字以内、中学校・高等学校は同2000字以内。

     <応募作品・提出>

     応募は日本語で書かれた作品に限る。課題読書、自由読書それぞれに1人1編ずつ応募可。オリジナルで未発表の作品に限り、他の類似コンクールとの二重応募は認めない。入賞・入選作品は返却しない。必ず在籍校を通じて提出。

     <応募締め切り>

     都道府県により異なる。詳細は在籍校の図書館の先生、またはコンクール公式サイトに記載の問い合わせ先へ確認。

     <審査>

     都道府県ごとの地方審査と中央審査。

     <入賞発表>

     2019年2月上旬の毎日新聞、毎日小学生新聞、学校図書館、学校図書館速報版で発表。

     <受賞証明書>

     内閣総理大臣賞、文部科学大臣賞、毎日新聞社賞、全国学校図書館協議会長賞の受賞者が希望した場合、受賞証明書を発行する(送料実費)。詳細は入賞発表通知にて。

     <入賞・入選作品の著作権について>

     選出と同時に主催者に譲渡される。ただし、本人及び在籍校の利用は妨げない。

     <コンクール事務局>

     電話03・6265・6813(平日午前10時~午後5時)

     公式サイトはhttp://www.dokusyokansoubun.jp


     ■人物略歴

    かみしらいし・もね

     1998年、鹿児島県生まれ。「東宝『シンデレラ』オーディション」で審査員特別賞。「舞妓はレディ」(2014年)で映画初主演し、日本アカデミー賞新人俳優賞、山路ふみ子新人女優賞など受賞多数。「ちはやふる」シリーズ(16、18年)、「溺れるナイフ」(16年)などに出演。「おおかみこどもの雨と雪」(12年)、「君の名は。」(16年)で声優のほか、舞台、ナレーション、歌手など多方面で活躍中。

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