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旧優生保護法を問う

旧優生保護法下で不妊手術を強制された障害者らの記録に関する毎日新聞の全国調査で、強制手術を受けた人の約8割に当たる1万2879人の資料が確認できなくなっていることが判明した。「記録のない被害者」をどう特定し、救済につなげるか。

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科学の名の下に・旧優生保護法を問う

/5止 中絶胎児を「研究解剖」

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岐阜大で起きた旧優生保護法下での中絶胎児による「人体実験」を告発した児童精神科医の高岡健さん。日本精神神経学会の調査報告書を指しながら振り返った=岐阜市で2018年4月18日午後0時18分、千葉紀和撮影
岐阜大で起きた旧優生保護法下での中絶胎児による「人体実験」を告発した児童精神科医の高岡健さん。日本精神神経学会の調査報告書を指しながら振り返った=岐阜市で2018年4月18日午後0時18分、千葉紀和撮影

 岐阜大付属病院で1984年、旧優生保護法に基づき中絶した女性の胎児を研究目的で解剖し、脳の検査をしていたことが同年、日本精神神経学会で告発された。女性は出産を望み、解剖にも同意していなかったことから「人体実験」と非難された。

 30年が過ぎて取材に応じた、岐阜大精神科の助手だった当時の主治医(62)は「今でも悪いことをしたとは思わない」と言い、こう続けた。「本人は中絶に納得していた。胎児は病理解剖しただけ。私の行為と、いま問題になっている強制不妊手術とは全く違う」

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【旧優生保護法を問う】

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