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オニテナガエビ

“海なし県”で養殖成功 釣り堀開設へ

独自のろ過システムを説明する今村秀樹社長=山梨県甲斐市富竹新田の研究所で、2018年6月1日、野呂賢治撮影
成長した雌のオニテナガエビ=山梨県甲斐市富竹新田の研究所で2018年6月1日、野呂賢治撮影

 水質管理などの面から難しいとされるオニテナガエビの養殖を甲府市の人材派遣会社「ヒューネクト」の今村秀樹社長(47)が独自のろ過システムを構築し、成功させた。オニテナガエビは30センチほどに成長し、食味も良いといい、今村社長は「甲州鬼えび」の名称で売り出す方針。今秋には甲府市近郊の温泉街に釣り堀を開く計画で、将来的には年間20万匹を出荷することを目標にしている。【野呂賢治】

     オニテナガエビは東南アジアに生息し、30センチ以上の大きさに成長する。汽水域で生まれ、淡水で育ち、現地では食味が良いことで知られている。

     今村社長がオニテナガエビの養殖に取り組み始めたのは2016年10月。台湾の温泉街などの釣り堀でオニテナガエビ釣りが親しまれていることを知り「海無し県だが、おいしいエビが名物になれば地域活性化につながる」と養殖を思い立った。

     大の生き物好きで、メダカやウーパールーパーなどの水生生物の繁殖も手掛けたことがある今村社長。オニテナガエビについて調べ、養殖の難しさも知ったが「経験もある。自分なら一度で成功させてやる」と取り組み始めた。だが失敗の連続。ある時は全滅、またある時は約2万匹分の卵から30匹程度しか稚エビに成長しなかった。

     今村社長によると、オニテナガエビは1匹の母エビの卵から1万~2万匹の幼生(ゾエア)が生まれ、約2~3週間で11回の変態を繰り返して稚エビに成長する。水質の変化に敏感だが、稚エビに成長すれば一般的な淡水のエビと同様に飼育が容易になるという。

     国内では青森県などの一部の事業者が養殖しているが、採算が合っていないとみられ、手探りの状況が続いている。

     今村社長は今年3月、試行錯誤の末、独自のバクテリアを用いた「閉鎖式循環ろ過システム」を完成させ、一定濃度の人工海水を混ぜた水槽で養殖に挑んだ。その結果、4月に生まれた約1万6500匹のゾエアのうち、8割を超える約1万3400匹が稚エビに成長した。稚エビの体長は現在約1~2センチ。半年ほどで約20センチになるという。

     山梨県水産技術センター職員も5月下旬に視察に訪れた。センターの大浜秀規所長は「技術力の高さに驚かされた。今後の展開に期待したい」と称賛。今村社長は「将来的には地熱や温泉熱を使った養殖場を設け、事業化させていきたい」と話している。

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