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有明海

アゲマキ漁が22年ぶり再開 佐賀

干潟で泥に手を突っ込みアゲマキを探す漁師=佐賀県鹿島市で2018年6月8日、池田美欧撮影

 佐賀県鹿島市沖の有明海で8日、かつて特産として知られた二枚貝「アゲマキ」の漁が22年ぶりに再開した。原因不明の大量死などで休漁していたが、県の研究が功を奏して、限定的だが漁ができるまでに生息数が回復した。再開を待ちわびていた漁師たちは、水揚げに精を出した。【池田美欧、松尾雅也】

 午前8時、漁師6人がガタスキーと呼ばれる板に乗って干潟の上を移動し始めた。アゲマキは泥の中に巣穴をつくって生息しており、水を出すため二つの穴がある。漁師たちは穴を目印に泥の中に肩近くまで腕を埋め、手探りで貝を探した。

 漁の再開は資源保護のため、今月30日までの15日間、漁場も約1・8ヘクタールに限った。漁師も6人に絞られ、期間中の漁獲量の見込みは900キロ程度。この日は約60キロ取れた。

 県有明海漁協の徳永重昭組合長は取れたアゲマキを持って県庁を訪れ、山口祥義知事に漁の再開を報告した。バター焼きなどを試食した山口知事は「佐賀に居ながら(有明海で取れる魚介類を意味する)『まえうみもん』が食べられない切なさは、県民の共通した思いだった。まだまだスタート地点で漁協とタッグを組んで頑張りたい」と語った。

取れたアゲマキの大きさを確かめる漁師たち=佐賀県鹿島市で2018年6月8日、池田美欧撮影

 漁師たちは喜びつつ、複雑な胸中を吐露した。漁に参加した峰松正人さん(50)は「久しぶりに漁ができてうれしい」と歓迎。だが「最近は有明海が変わってしまった。海が回復したのではなく、技術で補っている状態」とし、「20歳から漁を始めたが後継者ができず、アゲマキ漁師の中で自分より若い人は聞いたことがない」と後継者不足を嘆いた。池田義孝さん(62)は「小さいものの、数は増えてきた。若い人が出てきてずっと続けられるようになれば」と期待した。

地道な研究で生息数回復

 アゲマキの生息数が回復したのは、県有明水産振興センターが1996年に始めた稚貝の地道な研究がきっかけだった。アゲマキを日陰に置いた後に水槽に移すと卵を産むのを突き止め、2001年には卵から育てた稚貝の放流を開始。09年からは年間約100万個規模の放流を続けた。

 当初は稚貝が死んでしまうことも多く、試行錯誤の連続だった。以前に生息数が多かった地点を調査し、泥と砂が適度に混ざった底質が生息に適することに気づいた。成長しやすいように干潟に砂を混ぜて環境を整え、大きくなった成貝が子供の稚貝を産んで世代交代するようになった。センターは「成果が出てうれしい。漁が持続的にできる兆しが見えてきた」と喜んだ。

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