メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

シンポジウム

京大隊、チョゴリザ初登頂60周年 「探検大学」の歴史に迫る 17日、左京で /京都

 “探検大学”の異名をとる京都大のDNAを探るシンポジウム「探検大学の誕生」(京都大学学士山岳会など主催)が17日、京都市左京区の京大吉田キャンパスで開かれる。1958年8月、ヒマラヤの未踏峰チョゴリザ(7654メートル)の初登頂に京大隊が成功して60周年になるのを記念したイベント。ヒマラヤ登山や南極観測、アフリカでの霊長類・人類学研究、宇宙での有人活動まで京大の研究者がかかわったフィールドワークを振り返り、「探検」の未来も考える。【榊原雅晴】

     優美な姿から「花嫁の峰」と呼ばれたチョゴリザ。登山隊を率いた桑原武夫・京大人文科学研究所教授(1904~88年)はフランス文学者として知られるが、登山家でもあり、戦前の31年にヒマラヤ登山を目指して誕生した京大学士山岳会(AACK)の創設メンバーだ。盟友には霊長類学のパイオニア、今西錦司博士(1902~92年)、第1次南極越冬隊長を務めた西堀栄三郎博士(1903~89年)らがいた。

     チョゴリザの後も京大隊は60年にノシャック峰(7492メートル)、62年にサルトロカンリ峰(7742メートル)など次々とヒマラヤの初登頂に成功、戦後の登山ブームをリードした。一方でヒマラヤ以外に目を転じた今西博士は58年、ゴリラを求め初めてアフリカに足を踏み入れた。西堀博士が南極で厳しい越冬生活を終え、日本の極地研究への道筋をつけたのも同じころだ。

     若い世代も負けていなかった。後に「照葉樹林文化論」を提唱する植物学者の中尾佐助氏がブータンを、「文明の生態史観」で知られる文化人類学者の梅棹忠夫氏が東南アジアを、「鳥葬の国」がベストセラーになった文化人類学者の川喜田二郎氏が西北ネパールを探検したのも58年のこと。このころから京大は「探検大学」と呼ばれるようになった。探検と学術研究が両輪となった姿を梅棹氏は「未踏の大地(フィールド)へのこころざしは、あらたな学問領域(フィールド)の開拓につながっている」と表現している。

     シンポではチョゴリザ初登頂者の神戸大名誉教授、平井一正さん(86)=京都市西京区、今西博士の“孫弟子”でゴリラ研究の山極寿一・京大学長、探検部OBで気象学者の安成哲三・総合地球環境学研究所長、宇宙飛行士の土井隆雄・京大宇宙総合学研究ユニット特定教授らが講演。その後、若手研究者を交えて「これからの探検大学」をテーマに議論する。コーディネーターはAACK会長で、チンパンジー研究の松沢哲郎・京大高等研究院特別教授。

     平井さんは「日本が貧しい時代によくぞ登頂できたと思う。先人から脈々と続く精神を引き継ぐことができ誇らしい」。松沢会長は「1958年という年にこれだけのことが一気に花開いたことは奇跡的。探検大学の歴史を若い人たちに知ってほしい」と話す。

     シンポは午後1時、京都大学吉田キャンパス国際科学イノベーション棟5階シンポジウムホール。シンポに合わせて京大百周年時計台記念館の京大サロンでも写真展「探検大学 早わかり」(7月16日まで)、特別展示「花嫁の峰チョゴリザ、そして南極……」(7月1日まで)が開かれている。いずれも入場無料。事前申し込み不要。問い合わせは京都大霊長類学・ワイルドライフサイエンス・リーディング大学院(075・771・4388)。

        ◇

     京大研究資源アーカイブ所蔵の記録映画「花嫁の峰チョゴリザ」(1959年、日映新社)が京大総合博物館で毎週金・土・日の3日間、午前11時25分、午後3時5分の2回(全編75分)上映している。(16日午前の上映は休み)。入館料一般400円。

    関連記事

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 大阪震度6弱 M6.1 3人死亡91人けが
    2. 高校バスケット 判定に不満 延岡学園選手が突然審判殴る
    3. 地震 大阪府北部で震度6弱
    4. 大阪震度6弱 ラッシュ直撃 「一緒にいた子が」児童犠牲
    5. 高校バスケット 審判に暴行映像、SNSで一気に広まる

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

    [PR]