連載

ストーリー

記者が現場を歩き、見て、聞いて、感じながら、ニュースの深層、話題の人々の内面に迫る長編ルポ。

連載一覧

ストーリー

俳優・中村敦夫78歳の挑戦(その2止) 未来見つめる表現者

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
反骨と探究心を持ち続ける中村敦夫さん。「人生の下り道で福島第1原発事故が発生し、多少は意味のある仕事をしたいと思いました」=東京都新宿区で日、丸山博撮影
反骨と探究心を持ち続ける中村敦夫さん。「人生の下り道で福島第1原発事故が発生し、多少は意味のある仕事をしたいと思いました」=東京都新宿区で日、丸山博撮影

 ◆反原発朗読劇「線量計が鳴る」で行脚

戦争同様、戦犯いる

 

 東京・西新宿。ビルの壁に囲まれた交差点を人と車が行き交う。

 「ふと、荒野をさまよっている気分になるんですよ。こうして雑踏を歩いていてもね」。俳優の中村敦夫さん(78)は歩みを止め、虚空を見詰めた。2年前、俗世のしがらみを断つために在家のまま出家し、僧籍に入った。言葉が求道的な色彩を帯びる。

 「今、100年後のことを考えていたんです。ここにいる人たちは、もう誰も生きてはいないなって。同じように、東京電力福島第1原発事故を終わったことにしたがっている人たちも、やがてはいなくなる。ただし原発問題は、現状のままだと100年たっても解決していないでしょうね」

この記事は有料記事です。

残り4652文字(全文4960文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る

ニュース特集