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今週の本棚

内田麻理香・評 『人形論』=金森修・著

 (平凡社・3456円)

<命>とは何か 問いかける

 以前、プラハで人形劇を鑑賞した。チェコにとっての人形劇は大切な意味を持つ。長年、隣国からの支配を受け続けたチェコは、公用の場でチェコ語を使うことさえ禁じられていたが、人形劇の場だけはチェコ語の使用を許されていたのだ。評者が観(み)た演目は『ドン・ジョバンニ』。クライマックスに、騎士団長がゴーレムの姿をして登場したことに驚いた。ゴーレムはユダヤ教の僧侶が作る人工生命体だ。人間でないゴーレムがさらに人形となり、生き生きと動くという奇妙な構造に心躍らされた。

 今回、取り上げる『人形論』は、二年前に亡くなった科学思想史、生命倫理学を専門とした金森修の遺作にあ…

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