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磯田道史・評 『拡張の世紀』=ブレット・キング著、上野博・訳

 (東洋経済新報社・2592円)

 人工知能(AI)の発達で大変化が起きる。ただ、その激変がいかなるもので、20~30年後の社会は、どうなるか。それを知るのに好個の一冊である。

 将来、車は自動運転化で免許不要。路上を往来する車を「時間借り」するので車の保有も激減。10年後には、ロンドン中心部で人間による運転が禁止されるとまで、著者はいう。そんなに変化が速いか?とも思うが、人類の生活相の変化は、我々の代から、超高速化している。新技術が25%の普及率に達するのに要した時間をみよう。米国の場合、電気が46年、電話が35年だったが、今は速い。携帯電話は13年。フェイスブックやアイフォンは3年ぐらいで達した。過去なら、千年かかった変化が1世代25年で一気に降りかかってくる。そんな人類史の変曲点に、我々はいる。

 変化の内容は激しい。エネルギーは太陽光発電の伸びが著しく多様化。自給自足型になり、配電網を握る巨大電力会社は凋落(ちょうらく)すると予測する。そのうえ、あと十年たらずで世界中で「銀行口座の携帯電話化」が進む。価値を蓄蔵する形が変わるので、銀行口座とクレジットカードでの決済は急減する。人々は、携帯型の機器(スマートデバイス)に、買い物や予約、お金の管理まで助けてもらう。体質の古い銀行の経営陣は、お…

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