歌舞伎

六月大歌舞伎 吉右衛門の団七に情愛=評・小玉祥子

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷

 夜は東西の祭りの宵宮がクライマックスの傑作2作。

 最初が古典で大坂が舞台の「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」。吉右衛門の団七は妻お梶(菊之助)と息子、市松(寺嶋和史)への情愛がうかがえ、「長町裏」には、その団七が舅(しゅうと)義平次を手にかけざるを得ない切羽詰まった思いが感じられる。義平次をあざむこうと思い立つ際の目遣いがうまく、殺しに悲哀が漂う。

 橘三郎の義平次が憎々しく、団七への挑発がよく表現された。歌六の三婦に老〓客(きょうかく)らしい威勢の良さがあり、東蔵の女房おつぎとの息も合う。雀右衛門のお辰は愛らしさの中に〓気がある。菊之助は慈愛と徳兵衛(錦之助)を制する強さの両方を見せた。

この記事は有料記事です。

残り584文字(全文885文字)

あわせて読みたい

注目の特集