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ターンテーブルに古いレコードをのせて針を落とす。スピーカーからプチプチとスクラッチノイズが響き、続いて柔らかい音色が流れ出す。晴天なら軽やかなカリプソ音楽、曇り空の日はすこし憂いのあるジャズ・ヴォーカル、休日は華やかなソウル・ミュージック。その日の気分に合わせた音楽で誠光社の一日は始まる。プレイ中のレコードジャケットをカウンターの後ろに立てかけておくと、それを見たお客さんや知人から声をかけられることがよくある。
「レコードってまだ売ってるんですね」という素朴な驚きから「これ探してたんですよ、どこで買ったんですか?」というご質問まで、入り口は様々(さまざま)だが音楽が会話のきっかけを作ってくれることがある。データ配信全盛の昨今、CDやアナログ盤など音楽ソフトのことを若いリスナーの間では「フィジカル」と称するそうだ。モノとして存在する、という意味合いだろうが、言葉をかわし合うきっかけを作るという意味では、レ…
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