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袴田事件

再審取り消し 血痕鑑定、信用性否定 東京高裁

東京高裁に向かう袴田巌元被告の姉秀子さん(右)と西嶋勝彦弁護団長=東京都千代田区で2018年6月11日午後1時17分、丸山博撮影
自身の支援集会で登壇し、マイクを握る袴田巌さん(左)。右は姉秀子さん=東京都千代田区で2018年2月24日、小川昌宏撮影

 1966年に起きた「袴田事件」で死刑が確定し、2014年の静岡地裁の再審開始決定で釈放された袴田巌元被告(82)の即時抗告審で、東京高裁(大島隆明裁判長)は11日、地裁決定を取り消し、再審請求を棄却する決定を出した。地裁が再審開始の根拠とした弁護側のDNA型鑑定について「信用性は乏しい」と判断した。一方で、袴田さんの健康状態などを考慮し、死刑と拘置の執行停止については維持した。弁護側は再審請求の棄却を不服とし、最高裁に特別抗告する方針。

死刑と拘置停止は維持

 地裁は、確定判決が犯行時の着衣と認定した「5点の衣類」の血痕について、弁護側推薦の本田克也・筑波大教授が「袴田さんのものでも、被害者のものでもない」と結論付けたDNA型鑑定の信用性などを認め、再審開始を認めた。

 これに対し、高裁は本田氏の鑑定について「一般的に確立した科学手法とは認められず、有効性が実証されていない」と指摘。「鑑定データが削除され、検証も不能だ」と批判し、信用性を否定した。

 また、地裁決定は「5点の衣類」が事件から1年2カ月後にみそタンク内から見つかった経緯を巡り「衣類の変色の仕方が不自然で、警察が捏造(ねつぞう)した疑いがある」としていたが、高裁は「タンク内のみその色と再現実験のみその色が異なるなど比較方法が不適切で、地裁の判断は不合理」と覆した。

 高裁は、捜査段階の袴田さんに対する取り調べについては「供述の任意性や信用性の確保の観点からは疑問と言わざるを得ない手法があった」と指摘したが、捏造に関しては「(不適切な)取り調べ状況と結び付けることは飛躍がある」と否定した。

 浜松市内で高裁決定の一報を聞いた袴田さんは「そんなのはうそだ。そんな事件はない」と話した。【石山絵歩】

 西嶋勝彦弁護団長の話 不当な決定であり、到底承服しがたい。

 曽木徹也・東京高検次席検事の話 法と証拠に照らし、適正かつ妥当な判断であると理解している。

 【ことば】袴田事件

 1966年6月30日未明、静岡市清水区(当時・清水市)で、みそ製造会社の専務の男性(当時42歳)方から出火。焼け跡から、専務と妻(同39歳)、次女(同17歳)、長男(同14歳)が他殺体で見つかった。元プロボクサーで同社従業員の袴田巌さんが逮捕、起訴され、公判で無罪を主張したものの、80年に最高裁で死刑が確定。第1次再審請求は2008年に最高裁で再審不開始が確定したが、第2次再審請求に対して静岡地裁が14年に再審開始を決定。検察側が即時抗告し、東京高裁が審理していた。

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