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社説

新幹線で無差別殺傷事件 安全対策の余地はないか

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 新幹線は1日に100万人以上が利用する。その大動脈で、あってはならない事件が起きた。

 神奈川県内を走行中の東海道新幹線「のぞみ」の車内で、刃物を持った男が乗客に突然切りつけ、3人を殺傷した。亡くなった梅田耕太郎さんは、男が女性に切りつけるのを止めに入って逆に何度も切りつけられた。勇敢な行動が犠牲につながったことは本当に痛ましい。

 2020年に東京五輪・パラリンピックが控える中、テロ防止を含めた安全対策は喫緊の課題だ。通り魔的で、予測し難い事件とはいえ、JR各社は事件を検証し、再発の防止につなげなければならない。

 東海道新幹線では3年前、やはり走行中の新幹線で、男が焼身自殺し、巻き添えで煙を吸った乗客が死亡した。この事件を受け、JR各社は、デッキなどに加え客室でも防犯カメラの設置を進めてきた。乗務員らの車内巡回を強化し、不審物のチェックもしている。

 だが、容疑者は今回、なたやナイフなどをリュックサックに入れて車内に持ち込んだ。外からの点検だけでは限界があることを示した。

 最も有効なのは、空港並みに厳格な手荷物検査を行うことだろう。欧州などの一部の高速鉄道では、乗客の手荷物検査を実施している。

 だが、利用者数が格段に多い日本の新幹線では、デメリットも大きい。本格的な検査をすれば、その要員を確保するためにコストが増加し運賃が上がったり、待ち時間が長くなり利用者の利便性が減じたりするだろう。全面的に実施するのは現実的ではないかもしれない。

 それでも安全は最優先だ。専門家からは、改札口で危険物を検知できるセンサーの開発など技術面での対応を求める指摘が出ている。こうした取り組みを進めるべきだ。

 それに加え、日常的な安全対策の強化が必要だ。車両やホームの巡回頻度を高め、不審者や危険物の発見に力を注ぎたい。警察の協力も欠かせない。警察官が新幹線車両に乗り込んでの警備は一部にとどまっているが、体制拡充を検討してほしい。

 新幹線は多くの国民にとって身近な乗り物だ。国民の不安を払拭(ふっしょく)するために、事業者は最大限の対策をとる責務がある。

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