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在日ロック歌手

米朝首脳へ「心わって」非核化へエール

在日コリアンでロック歌手の朴保(パク・ポー)さん=横浜市で2018年6月9日、藤井達也撮影

 史上初めての米朝首脳会談が12日、シンガポールで始まった。「友よ、明日はいい日になるよ」。核廃絶や反戦を歌い続けるロック歌手、朴保(パク・ポー)さん(63)は、韓国語で「すごく良い」を意味する曲「ノム チョア!」を作曲中だ。南北統一や朝鮮半島非核化への願いを込めて「良い一歩になるよう、エールを送りたい」と言う。

 韓国から日本に渡った父と日本人の母の間に生まれ、静岡で育った。母の姓「広瀬」を名乗ったが、「朝鮮人」と差別されることもあった。10歳で音楽を始め、24歳で「広瀬友剛」としてデビュー。翌年、初めて韓国を訪れ、幼い頃から父と聴いた民謡の音色に心を揺さぶられた。「自分の生きざまを通したい」と父の姓「朴」を選んだ。韓国の伝統音楽とロックを融合させ、社会問題を歌った。

 「核は人間の欲の最高峰。地球にあってはいけないもの」。米カリフォルニアで10年間暮らして先住民の反核運動にも携わり、思いを強めた。先住民は土地を奪われ、放射線の危険性を知らされないままウランを採掘させられ被ばくした。被爆者を描いた丸木位里・俊夫妻の「原爆の図」に感銘を受けてつくった代表曲「HIROSHIMA」をネバダの核実験場跡で歌い、核廃絶を訴えた。

 北朝鮮にはいとこも住む。帰国後、「住民や子供たちに罪はない」と、食糧難に苦しむ北朝鮮に米を送る活動を行った。2001年には公演で初めて北朝鮮を訪れた。

 今年4月の南北首脳会談は自宅のテレビの前で見守った。両首脳が手を取り合う様子に「うれしくて、涙が出そうになった」。南北統一を願って亡くなった父がどれほど見たかった光景か。「南北が分断されたのは、朝鮮半島の言葉や土地を奪った日本にも責任がある。もっと統一を応援してほしい」と話す。

 米朝首脳会談の先に願うのは、核なき世界だ。「北朝鮮に核を持つなといって、米国が持つのはおかしい。被爆国の日本が米国に呼びかけて、核がいらない世界を作らなければ」と力を込める。

 <心わって 心をひらいて/話してよ きっと解(わか)りあえるさ>

 「これしかできないからね」。平和を願う気持ちを、新曲の歌詞に乗せる。

【竹内麻子】

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