メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

袴田事件再審認めず

弁護団「結論ありき」姉「次に進む」

袴田巌さんの再審が認められず、記者会見で話す姉の秀子さん。奥は西嶋勝彦弁護団長=東京都千代田区2018年6月11日宮間俊樹撮影

 一度は近付いたかに見えた再審への扉は、再び遠のいてしまった。1966年の「袴田事件」で、死刑が確定していた袴田巌元被告(82)。その再審開始を認めた静岡地裁の判断を覆した11日の東京高裁決定に、無実を信じてきた弁護団や支援者からは「残念だ」「許せない」などと落胆や怒りの声が相次いだ。

支援者、落胆と怒り

 「不当決定」。11日午後1時半過ぎ、東京・霞が関の東京高裁の正門前。女性弁護士が高裁決定を知らせる紙を掲げると、袴田さんの姉秀子さん(85)は「次に向かって進みます」と険しい表情を見せた。

 午後3時過ぎに始まった弁護団報告会でも高裁決定への批判が相次いだ。

 弁護団長の西嶋勝彦弁護士は「(静岡地裁の再審開始決定のもとになった)弁護側のDNA型鑑定を否定する検証実験の結果を待つだけで、即時抗告審に4年も費やした。結論ありきの決定だ」と悔しさをにじませた。また、確定判決では犯行時の着衣と認定された「5点の衣類」にも言及。弁護側が捜査機関による捏造(ねつぞう)だと主張したものの、高裁が「根拠に乏しい」と退けたことについて「捏造の現場を見ることはできず、論理的に推測するしかない。証明できるなら、とっくに無罪が出ている」と語った。

 地元・静岡で袴田さんの支援を続けてきた弁護団事務局長の小川秀世弁護士も「偏見、思い込みの判断だ」と怒りを隠さなかった。弁護団は最高裁に特別抗告する方針で、「今回の決定に対し、証拠に基づいてきちんと反論すれば道は十分に開ける」と話した。

 一方、ある検察幹部は「弁護側のDNA型鑑定は科学的ではなく、否定されて当然」と語り、「奪った現金の一部を女性に渡したことは捜査で裏付けられているし、凶器の刃物を静岡県内で入手したこともほぼ立証できている。こちらは証拠全体を見て、犯人性を判断している」と自信をみせた。

 別の検察幹部は「静岡地裁の決定は、捜査側による証拠の捏造に言及していたが、今回の高裁決定で捜査の正当性も理解されたと思う」と評価した。【服部陽、金寿英、古川幸奈】

大島隆明裁判長 「オウム信者に逆転無罪」

 大島隆明裁判長(63)は東大卒で1977年に司法試験に合格し弁護士となったが、81年に裁判官に転身した。東京地裁や福岡高裁の判事、金沢地裁所長などを経て2013年から現職。

 東京高裁部総括判事としては、オウム真理教による東京都庁爆発物事件の判決(15年)で殺人未遂ほう助罪などに問われた女性信者に逆転無罪を言い渡した(最高裁で無罪が確定)。法曹界では「あっと驚く判決を出す」との評もある一方、同僚裁判官は「民事裁判の経験もあるが、刑事裁判の経験が長い。検察側・弁護側のいずれにも偏らず、丁寧に検討する人だ」と話す。【石山絵歩】

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 金曜ロードSHOW! 「ファインディング・ドリー」地上波初放送 ニモと暮らすドリーの冒険ファンタジー
  2. 東京湾 クジラ目撃情報 ゲートブリッジや葛西海浜公園で
  3. 大阪震度6弱 ブロック塀危険性 外部専門家が2度指摘
  4. 大阪震度6弱 最先端の電子顕微鏡が損傷 大阪大
  5. 三井不動産 「名古屋三井ビル北館」着工を発表

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

[PR]