SUNDAY LIBRARY

岡崎 武志・評『傍流の記者』『星空の蝉』ほか

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷

今週の新刊

◆『傍流の記者』本城雅人・著(新潮社/税別1600円)

 昭和30年代、島田一男『事件記者』が、ドラマにも映画にもなり人気だった。勇気と誇りをもって事件を追う新聞記者は、花形の職業だったのだ。信念に生きることができた、幸せな時代であった。

 その頃に比べれば、新聞というメディアに影が差し、本城雅人『傍流の記者』に見るように、記者たちの人生も苦渋に満ちている。全国紙大手の新聞社に、1998年入社の優秀な5人の記者。抜きつ抜かれつの報道合戦に立ち向かう彼らの姿を全6話で描く。

 かつてのエース級が中間管理職となり、部下を動かす立場に。保身しかない上司との確執、去っていく部下。家に帰れば問題を抱え、孤独感にさいなまれていく。「新聞社は下克上だ」の言葉のように、出世街道は戦国時代に似ている。そして彼らの前に新たな壁が……。

この記事は有料記事です。

残り1452文字(全文1816文字)

あわせて読みたい

注目の特集