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文化学園大(東京都渋谷区)の学生らがファッションブランド「ZARA(ザラ)」の依頼を受け、メンズの服をデザインした。世界に向け売り出された自分たちの作品を前に、担当した5人の学生は自身の成長を実感している。
ZARAはスペイン発のファストファッションで、アパレルブランドとして世界トップの売り上げを誇る。若い発想、新しい才能にスポットを当てようと、美術・デザイン系の教育機関とのコラボレーションによる新シリーズ「VIEW.S」を企画。第1弾として同大に協力を仰いだ。
同大に提示されたのは「東京発のメンズコレクション」。ZARAから打診を受けた高木陽子教授は「日本の若い男性のファッション、特にストリート系は世界的にも高く評価されているので、先方の期待度が伝わってきました」と話す。
大学院に通う留学生と日本人の学部生たちがプロジェクトへの参加を希望し、作品集などを提出。オーストラリア、フランス、ドイツからの留学生3人と日本人学生2人が選ばれ、昨年10月から制作に取りかかった。
言葉の壁や志向の違いを乗り越えて議論を重ねた5人は、「ストリートファッションにスポーツとテイラードスーツ、ノージェンダーの要素をミックスしたデザイン」というコンセプトを提案し、数十パターンに着こなせるサンプルを約3カ月で作り上げた。オーストラリア出身の大学院2年、スコット・ジェームズ・マーシュさんは「日本ならではのストリートファッションの魅力を留学生が外からの視点で指摘するなど、刺激し合っていい作品が生まれました」と振り返る。
ZARAのプロジェクトチームはサンプルの中からブレザーやパンツ、シャツなど15アイテムを選び、製品化。新宿店(東京)、名古屋店、心斎橋筋店(大阪)3店舗と各国の公式オンラインストアで、7日から発売している。登山用リュックなどに付いているストラップをイメージし、両脇にテープを施したブレザー(1万4990円)など、いずれも個性的なデザインだ。「自分用に買っていく女性も多い」(ZARA)という。
メンバーの湯目嵐士さん(4年)は「自分たちで作ったサンプルがほぼそのまま製品になったので、感激しました」と目を輝かせる。今回の取り組みを通して、国によるファッションの捉え方の違いに興味を覚えたため「卒業後は留学を考えている」という。【上杉恵子】