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東芝

7000億円自社株買い 還元優先 「もの言う株主」に配慮

日本企業の主な自社株買い

 東芝は13日、7000億円をめどとした自社株買いを実施すると発表した。半導体子会社「東芝メモリ」売却で得た利益を株主還元に回す。メモリー事業に代わる新しい事業の柱を見いだせない中、長期的な成長戦略よりも、影響力を強める「もの言う株主」への配慮を優先した形だ。

     東芝は2019年3月期の連結決算で、9700億円の売却益を計上する見通しで、その大半を、自社株買いに回す。市場に流通する株式数が減り、1株当たりの価値を高める。株式取得の時期は、今後検討する。自社株買いの発表を受け、東京証券取引所で東芝株は一時、1年半ぶりの高値となる351円に上昇した。

     東芝は昨年12月、債務超過による上場廃止を回避するため、約6000億円の第三者割当増資を実施。「エフィッシモ・キャピタル・マネージメント」など、積極的に経営に注文を付ける「もの言う株主」を含む計60のファンドが引き受けた。6月1日付のメモリー事業の売却完了で財務状況が大幅に改善したことで、こうした海外投資家から株主還元を求める声が強まった。27日に株主総会を控え、早期に対応を公表する必要があったとみられる。

     東芝はメモリー事業売却益について、企業の合併・買収(M&A)での活用も検討していたが、新しい収益の柱となるような大型買収は、当面見送られた形だ。市場関係者は、今回の自社株買いについて「予想を上回る額だが、次の成長領域の企業買収などにつぎ込む当てがないことを示しているように見える。今の株主への配慮を優先した消極的な対応しか選択肢がなかったのだろう」(大手証券)と推測する。

     東芝は13日の発表文で、06年に買収した米原発子会社、ウェスチングハウス(WH)が巨額損失を計上し、東芝の経営危機につながった経緯を踏まえ、「M&Aに関しては、特に慎重に対応する」と説明した。【竹地広憲】


     ■KeyWord

    自社株買い

     企業が発行した自社の株式を、利益で蓄えた資金などを使って買い戻すこと。買い戻した株式を消却すれば、発行株式の総数が減って1株当たりの利益が増えるため、株式の価値が高まる。株価上昇にもつながりやすい。

     株主への利益還元策の一環で、配当の増額といった直接的手法に対して、間接的な手法ともされる。

     銀行などの債権者にとっては、企業が持つ現金などの財産が減って債権回収が困難になるリスクがあるため、債権者保護の観点から禁止されていたが、2001年から原則自由になった。株主との対話などを重視した企業統治指針の導入を背景に、収益が堅調に推移する自動車や通信大手などを中心に、近年は増加傾向にある。

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