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前伊東市長

1000万円収賄疑い ホテル跡地買い取りで

伊東市が市内の建設会社から買い取った問題の土地。現在は図書館などの臨時駐車場として使われている=伊東市桜木町2で2018年2月、五十嵐朋子撮影
佃弘巳・前伊東市長

 静岡県伊東市が2015年に買い上げたホテル跡地を巡り、売り主の建設会社から現金約1000万円を受け取った疑いが強まったとして、警視庁捜査2課が収賄容疑で佃弘巳・前市長(71)の逮捕状を請求する方針を固めたことが13日、捜査関係者への取材で明らかになった。

 問題になっているのは、同市桜木町の「伊東マンダリン岡本ホテル」の跡地(約4000平方メートル)。伊東市は佃前市長が現職だった15年7月、市内の建設会社から2億500万円で買い取った。議会には「生涯学習施設を建設する」と説明していたが、計画は進んでおらず、現在は市の臨時駐車場として利用されている。

 捜査関係者によると、佃前市長は同年8月ごろ、建設会社の役員の男性(47)から、知人を通じて、現金約1000万円を受け取った疑いが持たれている。捜査2課は市が土地を買い上げた見返りとみており、佃前市長から3回にわたって収賄容疑で任意の事情聴取を進めていた。役員の男性についても、贈賄容疑で調べている。

 佃前市長は市議を3期、静岡県議を3期務めて05年の市長選で初当選。3期にわたり在任した。昨年6月には、後継の小野達也市長の相談に応じて助言や提言をする「市特別顧問」に就任。今年3月に任期が満了した。

 佃前市長は13日、毎日新聞などの取材に対し「10年くらい前、知人に2000万円ほどを貸した。3年前に1000万円を返してもらっただけ」と疑惑を否定した。【五十嵐朋子、佐久間一輝、梁川淑広】

巨額詐欺事件の舞台

 ホテルの跡地は「いわく付きの土地」として知られていた。

 伊東市中心部に位置するこの土地には、老舗旅館が建っていた。しかしバブル崩壊後、宿泊客が減少。何度か所有者を代えた後、2009年には東京の不動産会社所有となり、建物は「伊東マンダリン岡本ホテル」という名称で営業を始めた。

 この会社の実質的なオーナーらが、後に「岡本ホテル事件」として知られる巨額詐欺事件を起こす。オーナーは元暴力団組員で「会員になれば系列ホテルに無料で泊まれる」とうたって200億円以上を集め、11年に警視庁に逮捕された。伊東マンダリンは「詐欺の道具」にされた格好で、事件後に閉館した。

 「暴力団が絡んでいる」とうわさの立った土地は地元では敬遠されていたという。しかし14年10月に強制競売に出されると、市内の建設会社が落札。更地とされた後の翌15年7月には、伊東市が買い上げた。地元市議は「落札額は5000万円ほどだと聞いた。解体費用を差し引いても、建設会社は数千万円の利益を得たのではないか」と話している。【五十嵐朋子、佐久間一輝】

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