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県畜産公社

優良雌牛確保のため遺伝子を検査 奨励金交付へ /沖縄

 沖縄県畜産振興公社(久貝富一理事長)が今年度から、遺伝子検査で優良な肉質を次の代へ伝える能力が高いと判断された雌牛を保留する農家に対し、奨励金を交付する事業を始める。2022年に鹿児島県で開かれる全国和牛能力共進会(全共)に向けた出品候補牛やその母牛などを増やし、全共で上位入賞し県産肉用牛をブランド化することを狙う。

     牛の条件は県内で生産された黒毛和種の雌子牛で、ゲノミック評価成績の脂肪交雑がA以上であることなどが条件だ。県内のいずれかの和牛改良組合に所属している農家に対し、優秀な雌牛1頭に対し8万円を保留奨励金として交付する。50頭を上限とした。

     県は本年度から、肉用牛の産肉形質などの遺伝能力を毛根の遺伝子から検査する「ゲノミック育種価評価」の検査費補助を始める。肉質のいい牛の判別に掛かる期間を従来の約5年から、3カ月以内にまで短縮できる特徴を生かし、全共に出品する能力のある牛を迅速に調べ残していく戦略だ。

     5年に1度開かれる全共は「和牛のオリンピック」とも呼ばれ、優勝地域は「和牛日本一」を全面に打ち出して販路開拓や輸出拡大に活用している。

     県勢は上位入賞を目指し肉質向上に取り組んできたが、沖縄から大会会場に運ぶのに長い時間がかかり、輸送中のストレスなどから出品牛が大幅に痩せてしまう。県勢は12年長崎大会の優等賞5席が最高だった。

     22年は隣県開催で、輸送中の牛への負担がこれまでになく小さくなることから「わが沖縄にとってもチャンス」(畜産関係者)と力が入る。

     久貝理事長は、全共に向けた協議会を秋ごろに立ち上げるなど、取り組みを前倒しで進める考えを示した上で「全共でいい成績を収めた時の経済効果は大きい。早めの取り組みで優等1席を取りたい」と意気込んだ。

    <用語>ゲノミック育種価評価

     子牛の毛根から遺伝能力を解析し、約3カ月で個体ごとの能力を評価できる新たな検査方法。従来は評価に約5年かかり、親の系統などで残した繁殖雌牛が分娩した子牛を育て、枝肉の成績を基に能力を推定していた。優良雌牛の選抜を効率化し、計画的な交配や改良を進めることにつながると期待される。家畜改良事業団(東京)が検査し、県は検査費の約1万6000円のうち最大半額を補助。分析対象は県内の肉用牛拠点産地の400頭。

    (琉球新報)

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