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19、20日に「第76期名人戦七番勝負」(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第6局が開催される山形県天童市は、将棋駒生産額が国内屈指の「将棋のまち」として知られる。1980年代以降の将棋駒需要の減少で、江戸時代から続く伝統産業は危機的な状況に陥っていたが、ここ数年は生産額がV字回復している。その背景には、快進撃を続ける藤井聡太七段らがもたらす将棋ブームに加え、「ふるさと納税」を生かした独自の振興策があった。【深尾昭寛、松尾知典】
天童の将棋駒生産には、天童藩が江戸時代後期、財政再建の一環で藩士に駒づくりを奨励した歴史がある。木地に漆で文字を書く「書き駒」など安価な大衆駒づくりが中心だったため、戦時中は戦地への慰問品として需要が急増。木地作りの機械化も進み、大阪を退けて全国一の産地に成長した。天童市によると、ピークの80年には将棋駒産業の生産額が約4億7100万円に達した。
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