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社説

安倍政権の「骨太の方針」 借金つけ回しを放置した

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 政府は、経済政策運営にあたっての「骨太の方針」を決めた。柱は、新しい財政健全化計画である。

 健全化をうたってはいるが、目標とする基礎的財政収支の黒字化は2025年度と従来より5年も先送りした。1000兆円超の借金に対する危機感がまるで欠けている。

 特に問題なのは、目先のお金を確保できれば将来につけを回しても構わないと言わんばかりの内容だ。

 まず高齢化に伴う社会保障費の急増をどこまで抑えるかが焦点だったのに、計画が始まる19年度から3年間の数値目標を見送った。これではなし崩し的に膨らみかねない。

 19年の消費増税に合わせ大型の需要喚起策を打ち出すことも盛り込んだ。借金返済に充てるべき税収をばらまきに使うのなら本末転倒だ。

 健全化の進み具合を21年度時点で点検する指標は設けたが、たいして役に立ちそうにない。計画は高い経済成長を見込んでいる。歳出を切り詰めなくても成長すれば健全化が進んだように見える指標だからだ。

 その場しのぎの対応がまかり通るのは長期的視点を欠くためだ。

 政府は最近、高齢化がピークとなる40年度の社会保障給付費が約190兆円に上るとの推計を公表した。現在より70兆円近くも膨らむ。

 賄うには税負担だけで30兆円超も増やす必要があるという。消費税で10%以上の引き上げに相当する。

 加えて借金返済の負担も将来世代にのしかかる。こうした厳しい見通しを踏まえ、つけ回しをできるだけ早くやめる計画を示すべきだった。

 人口が減少する日本は高い経済成長を見込みにくい。成長に伴う税収増に頼って財政を立て直すのは難しく、痛みを伴う負担増や歳出抑制が避けられない状況にある。

 それなのに安倍晋三首相は従来通り高成長を当てにしている。これまで税収が想定ほど伸びず、健全化目標を延期したにもかかわらずだ。

 首相が秋の自民党総裁選で3選されても任期は21年限りだ。それまでは財政出動の余地を残し、あとは頬かむりとみられても仕方がない。

 政府は来月から19年度予算の編成作業に入る。今回の計画がお墨付きとばかりに規律をさらに緩めてしまっては困る。深刻な財政を直視し歳出抑制に本腰を入れるべきだ。

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