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池内紀・評 『死を生きた人びと 訪問診療医と355人の患者』=小堀鴎一郎・著

 (みすず書房・2592円)

 戸口に死がやってきたとき、住み慣れたわが家で死と対面した。ある人は一日で終わった。ある人は何年も向き合っていた。やがて定めのような時がくる。医師はその間、死にゆく人の置かれている状況を、つぶさに見ていた。

 二〇二五年には、日本の人口の三分の一近くは六五歳以上の高齢者が占める。そのうち四分の一から五分の一に介護が必要になる。いわゆる「高齢者の人口爆発」は目前だ。

 外科医小堀鴎一郎は六五歳の定年まで四〇年間、大学病院・国立医療機関に勤務した。職務は主に外科医としての手術だった。定年退職後、埼玉県新座市の堀ノ内病院に赴任した。二年ばかりして、退職する同僚にたのまれ、寝たきりの患者二名を引き継いだ。「私はそのとき初めて、医師が患者宅を訪問することによって成り立つ在宅医療というジャンルが存在することを知った」

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