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悼む

作家・古川薫さん=5月5日死去・92歳

=東京都渋谷区で2015年、内藤絵美撮影

 18年前の2000年、学芸記者になった私は山口県下関市の古川薫さんにあいさつに行った。当時74歳。候補10回目で直木賞を受賞して10年がたち、九州・山口のエンターテインメント小説界の長老として大きな存在感があった。

 オヤ、と思ったことは、古川さんが私の目を見ないことだ。目が合うと黒目がくるっと下を向く。話が弾み、気恥ずかしさが消えて初めてこちらの目を見すえる。親しくなってからも変わらない。古川さんは含羞(がんしゅう)の人だった。

 古川さんには吉田松陰ら長州の志士を描く作品が多い。「長州奇兵隊」など代表作を読み返すうちに気付いた。志士に向けられる古川さんの視線は「滅びゆくものへの哀惜」とでも呼ぶべき深い憂愁をたたえているのだ。

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