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山地酪農を実践し、牛を自然放牧する岩手県岩泉町のなかほら牧場

 岩手県岩泉町。山の頂を目指す細道をたどっていくと、切り立った斜面で牛たちがのんびりと草をはむ。「なかほら牧場」では、平地の草原や牛舎ではなく、高地の山林に牛を自然放牧する「山地(やまち)酪農」を実践している。

 牛たちは坂道をひづめで軽々と上っていく。牛舎へと下りてくるのは搾乳の時間だけだ。思い思いの場所でえさとなる野シバを食べ、野シバは牛のふんでまた葉を伸ばす。こうした循環で、牛に人工的な負担をかけず、自然体でいられる環境を築き上げる。

 近代酪農では乳量を増やすため、牛の体に合わない飼料を与え、牛舎につなぐ。けれども動物たちを追い込ん…

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