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これでいいのか?就職活動=大久保達也 東京大学工学部長・大学院工学系研究科長

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大久保達也・東京大学工学部長
大久保達也・東京大学工学部長

 大学生の就職活動の話題がにぎやかである。経団連の「採用選考に関する指針」によると、広報活動は卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降、選考活動は卒業・修了年度の6月1日以降となっている。その一方で、大手就職ナビサイトを開くと、既に22カ月後の入社を想定した2020年採用のための活動が始まっている。あるサイトには「インターンシップに登録して就活準備を始めよう!」とある。大学の学部3年生、大学院の修士課程1年生の夏から就活準備の呼びかけである。 

 最近、本来の趣旨とは異なる、就職活動の一環としての「インターンシップ」が増えている。「ワン・デー・インターンシップ」も出現し、就職活動の早期化、長期化に歯止めがかからなくなっている。学生は、就職活動に多くの時間を費やさねばならず、勉学、研究の時間の確保が困難になっている。採用する側も、大手になると万単位のエントリーシートへの対応が必要になり、人員や経費も莫大(ばくだい)なものになっている。

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