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余録

「われわれは宝石や金、銀の片を宝物とする…

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 「われわれは宝石や金、銀の片を宝物とする。日本人は古い釜や、古いひび割れした陶器、土製の器などを宝物とする」。16世紀後半のポルトガル人宣教師、フロイスは日本で古い茶道具が珍重されるのに驚いた▲フロイスはこんな調子で「われわれ」と「日本人」の習慣の対比をしている(ヨーロッパ文化と日本文化)。その中にはこんなのもある。「われわれの間では球戯は手でする。日本人は足をつかって遊ぶ」。そう、蹴鞠(けまり)のことである▲当時の欧州にも球を蹴る遊びはあったそうだが、フロイスの目には欧日の対比は鮮やかだったのだ。今日のサッカーの強豪国、ポルトガル人をも驚かせた日本人の足技だった。そんなご先祖たちもきっと喜んでくれているに違いない▲サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会での日本代表の初戦、対コロンビア戦のみごとな白星である。これがW杯初のアジア勢の南米勢からの勝利だと聞けば、歴史的瞬間をリアルタイムで目の当たりにできた幸せがうれしい▲思えば前監督が突然解任され、西野朗(にしの・あきら)監督の下でのわずか3週間の合宿で大会に臨んだ日本代表だった。前評判の高かろうはずはなく、世の関心も盛り上がらぬまま迎えた初戦だが、いざフタを開ければ一気に列島を燃え上がらせた▲「われわれは感情を大いに表すし、短慮を抑制しない。日本人は特異な方法でそれを抑え、思慮深い」。フロイスはそうも述べているが、ことこうなっては世界中の人々の熱狂の輪に加わるしかあるまい。

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